週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

DeNA・勝又温史 恩返しはこれからだ/第一歩を踏み出した

 


 顔をくしゃくしゃにして喜んだ。「一軍で猛打賞なんて、打てると思っていなかったので。本当に夢見たいな気持ちです」。投手から外野手へ転向し、育成選手からはい上がった苦労人。勝又温史が輝きを放ったのは4月21日の阪神戦(横浜)だった。16対9と乱打戦の中心で4打数3安打4打点。2号3ランを含む3安打3打点の牧とお立ち台へ上がった。「今日は、かっちゃんの日」。チームでは全く立場の違う二人。28歳の誕生日だった前主将の褒め言葉がまたうれしかった。

 誰もが認める練習の虫だから、同僚も飛躍を願っていた。沖縄・宜野湾キャンプを終えた3月のある時。「体が開いてもいいんだよ」と助言された。練習からきれいな打球を飛ばそうとするあまり、バットが出てこなくなっていたことへの指摘を、戸柱から捕手目線で伝えられた。右翼のポールへ思い切り引っ張る練習を取り入れたのも、この頃から。開幕は二軍で迎えたが、強く振る意識を身につけた。4月12日の広島戦(横浜)で初出場初先発。3打数1安打、プロ初打点も記録した。「かっちゃん、ナイスバッティング!」。出場機会は限られているが、ベテラン・戸柱も主将の筒香と並ぶ支柱。自分のことのように祝福してくれた。

 日大鶴ケ丘高から2018年のドラフト4位で入団。投手として一度、戦力外通告を受けている。「観客の中で野球をやるのが大好き。活躍することが一番の恩返しだと思う」。ベンチが大盛り上がりし、球場の雰囲気すら変えられそうな「かっちゃん」のバット。いくらでも報われる。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング