彗星のごとく、新天地で貴重な切り札へと上り詰めた。
昨オフの現役ドラフトで
楽天から広島に加入した辰見鴻之介は、代走の切り札として5月19日現在、チームトップの9盗塁を記録する。
移籍を機に、運命を変えた。春季キャンプから持ち味の俊足で注目を集めると、自身初の開幕一軍入りを果たした。
開幕7戦目の4月4日の
阪神戦(マツダ広島)の8回二死一塁から代走で移籍後初出場。すぐさま二盗を決め「ちょっと力んでしまって、うまくスピードに乗れなかった部分もありますけど、まず1個目を決められて良かった」と安堵した。
楽天時代は2試合の出場にとどまった韋駄天にとって、記念すべきプロ初盗塁だった。
翌5日の同戦も代走から警戒網をかいくぐって盗塁を決めた。その後、4月25日の阪神戦(甲子園)まですべて代走から、途中出場を続けた。同戦では1点ビハインドの土壇場9回に代走で出場し、二盗。同点のホームを踏んだ。
楽天時代に模索しながら確立した、やや高く見える姿勢から、一気にトップスピードに乗る。移籍を機に楽天では禁止されていたヘッドスライディングを解禁。ここまで記録した盗塁はすべて頭から滑り込んだものだ。
「タッチからよけやすくなる」と今季から一辺約7.6センチ大きくなった拡大ベースを有効活用している。
得点力不足にあえぐ広島にとって、終盤に投入する代走の切り札は停滞感を打破する大きな武器となっている。
同26日の阪神戦では移籍後初スタメン出場も果たし、代走にとどまらない可能性も示している。
写真=井沢雄一郎