勢いづく相手を押し返す。田中瑛斗が登板すれば、燃え上がりそうな炎が静かに消えていく。
“火消しのエイト”の今季は5月14日時点で16試合登板、10ホールド、1セーブ、防御率0.64。ブルペンに欠かせない存在となっている。WBC出場の影響で出遅れた
大勢、
R.マルティネスが不在だった
阪神との開幕戦(東京ドーム)では9回に登板して2点リードを守り、9年目にして初セーブを記録。新人の
竹丸和幸にプロ初勝利を手渡す救援にもなり、「タケちゃん(竹丸)の勝ちは絶対消さないと思っていました。絶対やらかせないシチュエーションだったので最高です」と気合全開だった。
日本ハムでの7年間は計10試合の登板にとどまったが、昨季は自己最多の62試合に登板。
阿部慎之助監督から「素晴らしい球。どんどん使っていこう」と絶賛された右打者への
シュートを武器に飛躍した。
4月16日の阪神戦(甲子園)では1点リードの7回にマウンドへ上がり、この回を無失点。驚かせたのは、対戦打者がすべて左だったにもかかわらず、全12球のうち11球がシュートだったことだ。「今は自分の生命線」と語る“伝家の宝刀”を駆使して、敬愛する
田中将大の日米通算202勝目につなげた。
今季、絶望的な局面を救った貢献度を評価する新たな年間表彰「損保ジャパンHIKESHI賞」が設立された。右腕は「行くのであれば抑えて賞を近づけます」と鼻息荒く狙っている。
写真=BBM