経験がものをいう捕手というポジションで、チームになくてはならない存在を担う。36歳の
戸柱恭孝は主に終盤からマスクをかぶり、試合を締める役割を期待されており「意気に感じてできている」とうなずく。
その最たる例が、1対1で迎えた延長十回の守備から出場した4月24日の
巨人戦(横浜)。S.
レイノルズを導いた延長10回は二死三塁のピンチをつくられながら、最後は一番の
佐々木俊輔を直球で押して空振り三振に。11回は中川虎をリードして三者凡退に斬り、直後の攻撃でサヨナラ二塁打を放った。
外寄りの直球を捉えた打球は低い弾道で伸び、前進守備から背走した中堅手の頭上を越えた。プロ11年目で初のサヨナラ打は「自分でもびっくり」。これまでは同様の好機で力みから足が震えていたというが、余念のない準備が心を落ち着かせた。「これだけやってきたというのが自分の中である。グラウンドで表現できているんじゃないか」と誇った。
同じポジションには成長株の
松尾汐恩と打力のある実力者がいる。一方、経験豊富な戸柱は投手陣からの信頼が厚く、さきの巨人戦のように緊迫した試合の終盤でも冷静沈着。
相川亮二監督は「キャプテンのようにチームのことを考えてくれている」と頼りにする。
ベンチで若手投手らに声を掛ける姿は日常的。「何とか監督を胴上げしたいという思いが、すごくみんなから伝わってくる。試合に出ていない時でも、出ている時でも、チームを引っ張っていけたら」と精神的支柱の自覚をにじませる。
写真=BBM