開幕から勝ちパターンを固定できていない広島の中継ぎ陣で、中崎翔太の存在感が際立っている。
入団16年目のベテランは抑えにセットアッパー、勝ちパターンにつなぐ役割など、登板場所を問わぬ起用に投球で応えている。
苦しいときに頼りになる存在だ。開幕当初は勝ちパターンとして期待された森浦、島内両投手の不調もあり、抑えを任された。
4月7日の
巨人戦(マツダ広島)で7年ぶりのセーブをマークしたときには「サク(バッテリーを組んだ坂倉)と握手したときに泣きそうになっちゃったんですけど、それはもう汗っていうことで」と、珍しく感傷的な一面を見せた。
5月13日の巨人戦(福井)では同点の9回を抑えてホールドを記録。史上10人目となる100セーブ&100ホールドを達成した。
今季の広島は、先発、中継ぎともに中心選手の不振が目立つ。その中で投手陣最古参が、絶対的な精神的支柱となっている。練習に臨む姿勢は、結果に左右されない。常にやるべきことに集中し、苦しさに背を向けることはしない。
試合中だけでなく、試合前後の姿も若手にとっては生きた教材。チームに与える影響力は、中継ぎとしての立場が上がったことによるものだけではない。
チームは浮上の機会をうかがう。得点力不足の課題が続くだけに、勝てる試合を取りこぼさないためにも中継ぎ陣の安定は重要だ。
実績ある
島内颯太郎が二軍で調整を続ける一方で、
高太一や
遠藤淳志といった後輩たちの台頭もある。中継ぎ最年長右腕には、若い選手を導くだけでなく、壁となる姿を見せていくことも求められる。
写真=榎本郁也