
先発として、さらに進化していくことを誓う渡邉
今季プロ8年目で初の開幕投手の座を射止めた。開幕投手を託されるということはエース級の活躍への期待と監督からの信頼の証明とも言える。
西武の地元・埼玉県羽生市出身で浦和学院高からの入団とあり、
渡邉勇太朗にはルーキー時からファンも格別な愛着を抱いてその成長を見守り続けてきた。その熱い想いを渡邉も常に感じながら「期待に応えたい」と励んできたが、ここまで決して順風満帆な道のりではなかった。
190センチ超の長身から投げ込む力強い直球を武器に「本格派投手」として早々からの一軍デビューを期待されたが、入団後は制球力に苦しむなどファームでもなかなか才能を開花できず、もどかしい日々が続いた。
それでも地道に、ひたむきに改善に努め、3年目の2021年にデビュー。ケガなどを乗り越えながら一歩一歩成長を遂げ、昨季は年間通して先発ローテーションの一角を担う存在へと躍進した。「埼玉県出身選手として、人一倍応援してもらっている」との自覚から、「僕が中心となって投手陣を引っ張っていかなければいけない」と責任感も非常に強い。
今季は初の開幕投手という大役も、「自分の中で大きな目標があり、そこへ到達するための通過点の一つ」と冷静に受け止め、過度な重圧を感じることなくシーズンへ入った。勝敗がつかなかった試合や、相手打線との相性で大量失点を喫した試合もあったが、7月4日現在で12試合登板、うち10試合がクオリティースタートの4勝4敗、防御率3.18と先発投手として安定した働きを続けている。
ただ、25歳右腕は現状に満足していない。開幕投手はあくまで通過点。その視線の先には、チームを優勝へ導く真のエースという、さらに高い目標がある。
写真=BBM