巻き返しの季節がやってきた。小園海斗は気温の上昇とともに“熱い打撃”でチームを救う覚悟でいる。
広島が大失速した昨夏は孤軍奮闘。7月のチーム打率が.221にとどまる中で.289を残した。8月は.330と勢いを増し、首位打者と最高出塁率の打撃2冠を獲得。シーズン打率.280で終えた24年も7月は.299と好調だった。
報徳学園高時代に甲子園を沸かせた球児はプロになっても、この季節を得意とする。
熱くならなければいけない理由もある。中軸と期待されながら、大不振に陥った。開幕から打率は上がらず、4月下旬まで1割台に低迷した。
日本代表としてWBCに出場したが、強化試合から出場機会が少なく、実戦感覚を養うことができなかったことも響いた。
4月22日の
ヤクルト戦(マツダ広島)で右手首付近に死球を受けた影響もしばらく残った。5月24日の
中日戦(バンテ
リン)では緩慢な動きに、2回に途中交代を命じられた。
交流戦ではスタメン落ちも経験。自分の感覚と体の反応のギャップを埋めきれないジレンマ、自身への怒りや焦りなどが、昨季2冠のバットを重くした。
6月4日の
日本ハム戦(マツダ広島)では4安打を放ち、その後3試合連続無安打やベンチスタートとなる試合もあったが、同23日の
巨人戦(マツダ広島)で今季5度目の猛打賞を記録した。
浮き沈みのある中でも、6月の月間打率は.290。苦しみながらも上昇気配を見せる。「調子とか言っていられない。自分ができることをやっていくしかない」。
7月8日のヤクルト戦(マツダ広島)で腰に違和感を覚え途中交代も、翌9日は問題なく練習をこなし「大丈夫」と奮起。
前半戦の不振も、チームの昨夏の苦い記憶も、“夏男”のバットで打ち消してみせる。
写真=井沢雄一郎