もちろん、声を張り上げるような盛り上げ役ではない。練習に取り組む姿勢、勝負どころで結果を残す技術でチームを引っ張るムードメーカーだ。
昨季
楽天から戦力外通告を受け、今年4年ぶりに古巣復帰。主に代打の切り札として、幾度もチームを勝利に導いてきた。
その働きぶりはシーズン終盤にさしかかっても健在だ。7月21日の
ヤクルト戦(神宮)では「四番・一塁」で出場すると、6回に一時勝ち越しの3ラン、8回には試合を決める2ラン。1試合2発&5打点はいずれもプロ11年目で初だった。
8月7日の
阪神戦(京セラドーム)では、1点差に詰め寄った9回二死一、三塁のチャンスで逆転の2点適時打を放った。
勝負強さの秘訣はシンプル。「あれこれ考えても仕方ない。ただ、振らないと何も始まらないですから」と振る勇気を大切にする。
楽天に所属した3年間では、パ・リーグの打者が積極的にスイングしている姿を目の当たりにした。「今年は真っすぐを打ちたいと思いながらやっています」と直球打ちに磨きをかけてきた。
明大の後輩でもある
村松開人が「得点圏での意識の話をよくします」と言うように、その姿は自然と若手野手たちの指標になっている。
井上一樹監督も「ここぞの切り札、というのは今季終わるまできっと変わらないと思います」と信頼を寄せる。
チームはクライマックスシリーズ出場へ向けた正念場。「(Aクラスという)目標がないよりはあったほうがいい。若い子もそうですけど、そういったことで成長する部分も大きいと思う。頑張りたいです」。
竜には、いぶし銀の背番号48がいる。最後まで、あきらめるわけはいかない。
写真=BBM