
打撃でも自らの役割を果たし、チームに貢献している
12球団トップのチーム本塁打を誇る強力ファイターズ打線で、八、九番といった下位を任されることが多いのが捕手の
田宮裕涼だ。“ゆあビーム”と呼ばれる強肩が武器の若き女房役は、打撃では巧みなバットコントロールと粘りが持ち味。「みんなどんどん行く打線なので、やっぱり状況を考えてやっていくしかないかなと」。状況に応じたバッティングを心掛け、常にプレーしていると語っていたこともあった。
打てる捕手としてブレークしたのは、プロ6年目の2024年だった。自身初の開幕一軍入りを果たし、首位打者争いをするなど、大きなインパクトを残した。今季も3割近い打率をキープしていたが、7月15日の
ソフトバンク戦(エスコンF)で、
ダーウィンゾン・ヘルナンデス相手にバントを試みた際に左手中指を負傷。打撲と診断され、長期離脱は免れたものの、夏場に入ってからは苦しい状態が続いている。
8月19日の同戦(同)では、同じようなシチュエーションがあった。同点の10回無死一塁で、相手投手はまたしてもヘルナンデス。「泣きそうだった」と言いつつも、気持ちの強さを見せた。3球目の変化球を投前へ転がし、倒れ込みながらバントを決めて、チャンスメーク。続く選手会長の清宮が右前適時打を放ち、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。下位打線は得点力の高い上位打線へつなぐ重要な役目を担う。相手投手へプレッシャーを掛け、小技を活用する。すべてはチームの勝利のため――。自分の役割を果たそうと日々必死に戦っている。
写真=BBM