新人離れした放物線は、幾度となく見る者を驚かせてきた。ドラフト3位ルーキーの宮下朝陽は、長打力を秘める右打者だ。左翼席に飛び込むアーチにとどまらない。右翼席にもたたき込む地力があり「右方向に打てるのが強み。もっと伸ばしていければ」と貪欲に語る。
前半戦は39試合に出て経験を積むと、後半戦でいかんなく実力を発揮。8月1日の
巨人戦(東京ドーム)では、ドラフト1位の
竹丸和幸からプロ初の満塁弾となる4号を放った。肘をたたんで胸元の直球をとらえ、左翼照明下の客席最上段へ。ド派手な一発に「完璧です」と胸を張った。
8月18日の巨人戦(横浜)では、プロ初のサヨナラ打を放った。8回から代打で出場し、そのまま六番でプレー。3対3の9回は一死から3連続四死球で塁が埋まり、二死後に迎えた打席でヒーローとなった。
田中瑛斗の失投を逃さず、鋭い当たりで遊撃の脇を破った。
182cm、88kgの大型遊撃手は、北海高から東洋大を経て
DeNAに入団。
相川亮二監督が「打つだけじゃない」と評するように、堅実な守りでも存在感を高めてきた。
阪神の
高橋遥人ら左の好投手から本塁打をマークしており、下位打線で勝負強さを示している。
右の強打者としてチームを引っ張る
宮崎敏郎や
牧秀悟の打撃や練習姿勢を見習い、正遊撃手の座をつかみ取ろうとしている。「一軍で活躍してなんぼ。長く活躍できるようにやっていきたい」。北の大地で育った22歳が、スケールの大きな打撃でその名をとどろかせる。
写真=BBM