
9月2日の阪神戦では圧巻の3盗塁を成功させた
自慢の快足がチームの力になっている。29歳の外野手、
岩田幸宏は9月13日時点でセ・リーグ1位タイの35盗塁をマーク。
巨人・
浦田俊輔らとし烈な盗塁王争いを繰り広げているが、タイトル獲得はあくまでも二の次。勝利に貢献したいという思いが一番だ。
「盗塁王を獲れたら一番いいですけど、『ここで走ってくれたらありがたい』という場面とか、『ここで走られたら相手からしたら嫌だろうな』というところで走れたり、得点につながる盗塁はしていきたい。数もこだわりますけど、確実に盗塁して点が入りそうだとか、そういう試合の状況を読んでいくことはもう少し考えていかないとなと思う」
今季の
ヤクルトにとって大きな課題となっているのが、得点力不足だ。昨季まで長年主砲として活躍してきた
村上宗隆が、メジャー・リーグ、ホワイトソックスに移籍。
池山隆寛監督も「打ち勝つ野球」を理想に掲げているが、現実は「つなぐ野球」をしていくのがベストだ。
岩田自身もその事実を理解している。これまでも「チームのための盗塁も大事だと思う。ムネ(村上宗隆)が抜けて得点力が減る。一人ひとり何ができるかを考えながら、勝つためにやっていったらいい」と口にしてきた。「記録のための盗塁」ではなく、「勝利のための盗塁」が岩田の理想的な形だ。
盗塁王を獲得すれば、球団では2018年の
山田哲人以来、8年ぶりの快挙となる。育成出身の苦労人は、シーズン最後までどん欲に次の塁を狙い続ける。
写真=BBM