伝統球団のバ
トンをつないだ。井上温大は8月5日の
広島戦(マツダ広島)で7回7安打無失点と好投し、プロ7年目にして初の2ケタとなる10勝目をつかんだ。
「入団してからずっと目標にしていた数字だったので、達成することができて本当にうれしい」と、にこやかに振り返った1勝は重みのある白星だ。プロ野球のリーグ戦が始まり、レジェンド
沢村栄治が13勝した1936年秋から、球団では92シーズン連続で2ケタ勝利投手が誕生。先輩たちがつないできた栄光の歴史を途絶えさせるわけにはいかなかった。
前橋商高から入団7年目にして、先発陣の柱と呼べる存在に成長を遂げた。2024年に8勝を挙げてブレークの兆しを見せたものの、昨季は4勝8敗、防御率3.70。9月に左肘痛を発症してシーズンを終え、「1年間、いい状態でい続けることが難しかった」と悔しさがにじんだ。
リハビリからスタートした今季は開幕先発ローテーション入りこそ逃したが、6月28日の
DeNA戦(横浜)から5登板連続で白星をつかむなど、目覚ましい進化を続けてチームをけん引している。
決め球のスライダーと比べ、より打者の手元で鋭く変化するカットボールを本格的に持ち球に加えた。
杉内俊哉投手チーフコーチも「カットで空振りやファウルを打たせられるようになってから幅が広がるようになった」と分析。
山崎伊織が右肩の故障に苦しむ中、井上が新たなエース格として確かな存在感を示している。
写真=BBM