まさに意地の投球だった。9月13日の
阪神戦(甲子園)、9回にもマウンドに立ち続ける背番号19の姿があった。
自己最多の142球を投げ、9回を零封。試合は延長11回に
細川成也の適時打で決着がつき、「無失点で戻って来られて良かったです」と安堵の表情を浮かべた。
阪神打線を圧倒した。序盤からコントロールが安定し、最速157キロの直球で押し切る。7回を終えた時点ですでに108球。それでも8回二死一塁の場面で打席へ向かった。
自ら井上監督に「才木(
才木浩人)さんもいったので、自分で9回まで締めくくりたい」と伝えていた。
続投した9回は一死二、三塁のピンチも
大山悠輔をカットボールで空振り三振に仕留め、最後は
坂本誠志郎を156キロ直球で右飛に打ち取った。9イニングを4安打のゼロ行進。12奪三振の力投だった。
1イニングでも長くマウンドで戦っていたかった。7月20日の
ヤクルト戦(神宮)で一軍に復帰して以降は安定した投球を見せ続けているが、8月28日の
DeNA(横浜)では7回まで無安打投球も、8回に右手の指をつって途中降板。後を託された中継ぎ陣が打たれていた。
「試合が動かない緊迫した状況でいく中継ぎ陣の大変さは分かっているつもりです。何とかいい形で投げて、つなぐことだけでした」とエースが見せた意地。
今季は春先から不振に苦しみ、1カ月以上の二軍調整も経験した。ここまで4勝7敗(9月29日現在)。とても納得できる結果ではない。
「残り試合も少ない。1試合1試合、丁寧に投げていきたい」。少しでも来季につながる投球を見せるのが自身に課された使命だ。
写真=BBM