ケガがなければタイトルホルダーだったかも……。“たられば”が許されるのであれば、そんな期待を抱かせていたのが浦田俊輔だった。「最後にケガをしてしまって、ものすごく悔しい」と振り返るプロ2年目にとって、2026年はブレークイヤーとなった。
リハビリからスタートしていた
吉川尚輝が不在の二塁で開幕スタメンの座を勝ち取ると、そのままレギュラーに定着。主に一、二番で起用されると、チームからは盗塁の判断を任せる「グリーンライト」の指示を受け、盗塁を量産。
ヤクルト・
岩田幸宏とし烈な争いを続けると、新人王争いでも存在感を放った。
ところが9月14日の
DeNA戦(横浜)で右肘じん帯損傷を負い、優勝争いの佳境で無念の離脱。その時点でリーグ1位の36盗塁をマークしていたものの、チームへの復帰はかなわず、盗塁数は岩田に抜かれた。
ただ、浦田は謙虚に自身を見つめる。「『ケガさえしなけりゃ(タイトルを)獲れていた』みたいな声もありますけど、それは違う。岩田さんの技術のほうが高いし、なんと言ったってケガもしなかったので。一軍で完走してらっしゃったんで、それはもう自分の実力不足」と盗塁王に輝いたライバルをたたえた。
それでもシーズン30盗塁以上は球団では2008年の
鈴木尚広(現二軍外野守備兼走塁コーチ)以来、18年ぶりだった。チームが12球団トップの盗塁数「99」を記録することができた立役者は、間違いなくこの背番号32。伸びしろ十分の若き韋駄天は、来季こそ盗塁王のタイトルを狙う。
写真=BBM