節目のマウンドは甲子園。相手は優勝へ突き進む王者・
阪神だった。
9月15日。中継ぎ左腕の齋藤綱記の出番は3点差の7回。先発・
柳裕也からバ
トンを渡された二番手でマウンドへ上がった。
対戦するのは、一番・
近本光司から始まる虎の看板打者たち。先頭の近本を外角スライダーで空振り三振。二番の
中野拓夢には中前打を許したものの、三番・
森下翔太、四番・
佐藤輝明をともにスライダーで空振り三振に仕留めた。
「50試合登板は、使っていただいた監督、コーチに感謝です。最後まで頑張ります」
2年ぶりのシーズン50試合登板。シーズン限りで退任した
井上一樹監督は「どんな場面でも行ってくれる、非常に頼もしいピッチャー。左打者だけではなく、右打者でも出せるところがチームでも貴重な存在」と評価している。
楽なシーズンではなかった。2024年は56試合登板で昨季は42試合。左肩の違和感と戦っていた。「僕は腕を振ってナンボのピッチャーですから。全力で投げないと勝負できません」。
腕を振れるようになったら、まずブルペン入りはランニング
シューズで行った。体のバランスを確かめるためだった。
「スパイクの歯でガッと土をつかんで、勢いで投げるだけでは先が見えないと思いました。やっぱりバランス。不安定になるランニングシューズで投げることに意味があると思いました」
登板はシーズン終了までに53試合まで伸びた。通算244試合登板。チームは
工藤公康新監督へ移行した。来季の300試合登板を見据え、まだまだ左腕を振る。
写真=BBM