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東大・明らかな進歩見せるもリーグワースト更新の86連敗

 

 赤門軍団が長いトンネルから抜け出すのは、いつになるのだろうか。

 84連敗で今季最終カードの法大戦を迎えた東大。10月25日の1回戦で2対19と大敗を喫すると、翌日の2回戦では中盤以降に引き離され、0対5で敗れた。

 86連敗――。東大の勝利は、10年秋の早大1回戦までさかのぼる。つまり、11年に入学した今の4年生は、勝利の味を知らないまま卒業することになったわけだ。法大2回戦に敗れると、浜田一志監督は遠くを見つめながら、その点から話し始めた。

「まず4年間で1勝もできなかった選手を出してしまい、監督として申し訳なく思います。なんと言葉をかければいいのか……。彼らの努力を実らせてあげられなかったことを深く、反省しています」

 その後にロッカールームで行われた最後のミーティングで、指揮官は4年生たちに「申し訳ない」と詫びたという。主将の有井祐人(4年・新田青雲)は目に涙を浮かべた。

「監督はそう言ってくださったけど、やるのは選手。監督を男にしてあげられなかったのは悔しいです」

 連敗は続いているが、チームは春から秋にかけて成長した姿を見せた。12年11月に就任した浜田監督は、「しっかり振ること」を徹底してきた。また、春のシーズン終了後からフリー打撃でも投手が打者に球種を告げずに変化球を混ぜて投げたことで、実戦での対応力が向上した。春は総得点7、チーム打率.139だったが、秋は総得点20、チーム打率.204まで上昇した。

「4対3で勝つチーム」を目標にしてきたが、打線が4点以上取った試合が2試合あっただけに、あとは投手陣の踏ん張り次第。今秋のチーム防御率は6.78。1試合あたり7.94個も与えている四死球をいかに減らせるかが課題と言えそうだ。

▲今秋のチーム打率.204。チーム本塁打4本と打線は活発だったが、投手陣が10試合で計80失点(防御率6.78)と、投打がかみ合わず、2010年秋から続いている連敗を86にまで伸ばした[写真=川口洋邦]



「勝つには、投打が噛み合うことが必要。今後もしっかり振ることは続けます。投手陣はしっかり走り込んで、しっかり投げ込む。基本を徹底することにつきます」(浜田監督)

 4年生たちは、確かに勝てなかった。だが、多くの財産を残した。その一つが、勝利へ向かう姿勢だ。

 象徴的だったのが、法大2回戦での有井のプレー。有井は今春に痛めた左ヒザが完治しておらず、テーピングで固定している状態だ。さらに法大1回戦の守備で右ヒザも痛めていた。にもかかわらず、4回の打席で中越えの打球を放つと一気に三塁まで走った。また、右翼守備でも5回にスライディングキャッチ、8回にはダイビングと美技を連発。勝利への執念を見せた。有井は言う。「僕たちの背中が、後輩たちにプラスの影響を与えられたらいい」

 4年生からのメッセージは、しっかり伝わったはず。連敗脱出は、次の代に託された。
(文=佐伯要)
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