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攻守にスキない新スタイルで日大が7季ぶりの一部昇格

 

 早大が大学選手権で優勝した翌日(6月15日)、神宮では“天国と地獄を分ける戦い”が繰り広げられていた。東都一部二部入れ替え戦だ。一部最下位の拓大と、二部で完全優勝の日大が対戦。日大が連勝し、7季ぶりの一部復帰を決めた。日大・仲村恒一監督は胴上げを固辞して言った。

「胴上げは、次(一部)で勝ってから。昨年10月の新チーム結成時から、今年の秋に一部で勝つことを目標にしてやってきた。そこに行くまでには、もう一度気を引き締め直したい」

 日大は東都で22度の優勝を誇る名門ながら、2012年春に二部降格。同秋から6季、二部に甘んじてきた。今季は長沢吉貴(1年・佐野日大)や山崎晃大朗(4年・青森山田)らの走力を前面に押し出した野球を展開。仲村監督が「びっくりするような球を投げる投手はいないが、試合を作れる投手がいる」という投手陣の継投で、10勝2敗、勝ち点5の完全優勝で入れ替え戦に駒を進めた。

 迎えた1回戦。日大は2対2で迎えた6回、一死満塁から長沢の右翼への二塁打で2点を勝ち越すと、右翼手から本塁への返球が逸れる間に一塁走者も生還し、長沢も三進。さらに次打者の二ゴロで長沢が本塁を陥れる(記録は野選)などこの回に5点を挙げると、投げては先発の木村光彦(3年・習志野)と藤本鈴也(4年・日本航空)の得意のリレーで8対2と快勝した。試合後、仲村監督は自信をのぞかせた。

「今年2月から、足を使った野球を目指してきた。それがリーグ戦と今日の試合でできている。油断さえしなければ、負けるチームではない」

 2回戦は指揮官の言葉どおりとなる。2点リードの6回一死一、三塁から、捕手が投球を少しはじくと、一塁走者の塚田好顕(4年・日大山形)が二進。二死二、三塁から、二ゴロをファンブルした二塁手が慌てて一塁へ送球する間に、三塁走者に続いて二塁走者の塚田も本塁を突いて2点を加点。投手陣は東範幸(2年・履正社)から原優平(3年・千葉日大一)につなぎ、5対1で勝利した。主将の幸田健斗(4年・徳島商)は一部復帰の喜びをかみしめた。

「1年秋からずっと二部にいて、毎年一部昇格を目標にやってきた。いよいよ4年生になってしまって、やっとつかんだこのチャンス。モノにできて、本当にうれしいです」

日大は1、2回戦と連勝で12年春以来の一部昇格を決めると、マウンド付近で喜びを爆発させた[写真=田中慎一郎]



 拓大は13年春に1929年の創部以来初の一部昇格を決め、同秋からの4季を一部で戦ってきた。しかし、今季は投手陣が万全ではなく、9試合で先制を許す苦しい試合が続いた。8連敗を含む9敗を喫し(2勝9敗1分け)、勝ち点1で最下位に沈んで入れ替え戦に回っていた。

 その投手陣を立て直せないまま、入れ替え戦の2試合でも先制を許して敗戦。二部降格が決まると、内田俊雄監督はため息まじりに言った。

「苦労して苦労して一部へ上がったのに、あっという間に落としてしまった。本当に申し訳ない。投手陣を立て直すには時間がかかる。打線も日大との力の差を痛切に感じた」

13年秋から4シーズン一部で戦った拓大は、無念の二部降格、内田監督も試合中から厳しい表情だった[写真=田中慎一郎]



 今春は、専大が自慢の強打で「一部昇格、即優勝」を決めた。今秋、日大も“足”を前面とした戦いが、どこまで展開できるかを見守りたい。(取材・文=佐伯要)
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