「ジャンボマックス」が神宮球場に帰ってきた。
城西国際大が6月に行われた大学選手権に初出場。初戦で西南学院大(九州六大学野球連盟)と対戦し、3対2と9回サヨナラ勝ちで全国大会初勝利を飾った。
その城西国際大の指揮官が、194センチの長身から「ジャンボマックス」の愛称で親しまれ、かつて東京六大学リーグを沸かせた佐藤清監督だ。
1974年に天理高(奈良)から早大に入学。2年春から「四番・一塁」を務め、3年秋の慶大2回戦では1試合3本塁打(リーグ最多タイ)、17塁打のリーグ記録を打ち立てたほか、歴代14位の通算14本塁打を放っている。また、95年から4年間は母校・早大の指揮を執った人物である。
2回戦で流通経大に4対7で敗れた後、17年ぶりに神宮球場で戦った感想を求めたが、佐藤監督は過去を振り返ろうとはしなかった。
「感慨深いものはあったけど、それは別として、なんとか勝つために全員で力を合わせてやってきた。負けたけど、初出場できて、2試合できたことを大きな励みにしたい」

初出場となった大学選手権で初戦突破を果たした城西国際大。佐藤監督は早大監督時代はリーグ優勝へ導けなかっただけに、特別な「1勝」だった[写真=横山健太]
2007年、伝統校・早大OBの佐藤監督が1992年創立と歴史の浅い城西国際大の指揮官に就任した。11年秋に初のリーグ優勝を果たすと、今春は2季連続4度目のリーグ制覇。春の優勝はこれが初めてで、大学選手権に初めてコマを進め、初の1勝を挙げた。佐藤監督自身、早大監督時代はリーグ優勝の経験がなく、今回が全国舞台での初采配だった。
「大学は今年創立24年目。私は就任9年目。本当に一つ、また一つとステップアップしたということ。今年のチームだけでここまで来たわけじゃない。これまでの積み重ねだと思います」
佐藤監督が指導するうえで大切にしているのが「基本」だ。野球の技術の基本はもちろん、学生としての基本、野球部員としての基本など、あらゆる面で基本を大事にしようと繰り返し説いてきた。
「基本を大事にして、いい習慣をつけようと言っています。それが伝統になっていくのではないでしょうか。今、ウチは全国に打って出る地力をつける時期。いい習慣を作って、しっかりした野球部をつくる。それが野球の地力と並行していく。学生野球とは、そういうものだと思います」
佐藤監督の指導について、主将で侍ジャパン大学代表のメンバーでもある捕手・
宇佐見真吾(4年・市柏)に聞くと、胸を張って答えた。
「佐藤監督は伝統ある早大でやってこられた方。指導に従っていれば自分たちも強くなる、いいチームになると分かっていた。この監督についていけばいいと信じていました」
昨秋の新チーム結成時から、春のリーグ優勝を見据えてチーム作りを進めてきた。投手はストライクを先行させる投球で、四球を少なくしてムダな走者を出さない。打線は低くて速い打球を打って、チームでつなぐ。そんな野球の「基本」を徹底して、歴史の新たなページを刻んだ。
この「全国1勝」は序章に過ぎない。「一つひとつ歴史を作っていく。前進あるのみ」と佐藤監督。これからも基本を積み重ね、城西国際大を全国常連校へ導いていく。(文=佐伯要)