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第46回明治神宮野球大会

 

就任2年目・鍛治舍監督率いる秀岳館[熊本]が経験した初の神宮


 解説者として20年以上も甲子園大会の実況に携わり、ソフトな語り口で野球ファンに親しまれた鍛治舍巧氏。松下電器(現パナソニック)の監督や日本代表コーチを歴任した同氏が高校野球の指導者として秀岳館高(熊本)の監督に就任したのは昨年4月のこと。それから約1年半後、名将に率いられたチームは今秋の九州大会で初優勝し、明治神宮大会まで駒を進めてきた。その原動力となったのは秋の公式戦10試合で92得点をたたき出した打線だ。

「1キロ以上のバットを使ったロングティーと反対方向を意識した打撃練習を1日置きにずっと繰り返してきたので、相手投手にスピードやキレがあっても攻略できるという自負があります。また、試合中に右打ちを指示しても抵抗なくできるようになりました」

 そして、この夏は強豪校と練習試合をこなし経験を重ねてきた。

「大阪桐蔭高と龍谷大平安高(京都)とは互角以上の試合ができましたし、広島商高のような伝統校にも勝ってきたので、大舞台でも動揺せずに名前負けしないで戦えると思います」

鍛治舍監督はパナソニックの役員から昨年4月、高校野球界へ転身。早大時代から慣れ親しんだ神宮での初さい配は、感慨深いものがあった



 もちろん、ここに至るまでの道のりは平坦ではなかった。監督就任当初は「練習が厳し過ぎる」と部員から反発されたこともある。「10年以上も甲子園へ行っていないチームで、いきなり『3年で日本一になる』と公言しましたから、選手は『途方もないことを言っているな』という感じで、なかなかついてこなかった。でも、今は選手たちから『日本一を目指そう』と言うようになりました」。かつて鍛治舍氏が監督を務めていた中学野球の強豪・オール枚方ボーイズ(大阪)出身の選手が多く在籍しているが、その一人で四番・捕手の九鬼隆平(2年)も「練習中に集中力を欠いてミスをしてしまい『グラウンドから出て行け』と言われたこともあります。監督は中学時代より厳しくなりましたが、試合では頼れる存在です」と信頼を口にする。

 技術を上げ、経験を積み、意識も高まった秀岳館。自信を持って明治神宮大会に臨んだが、東邦高(愛知)のエース・藤嶋健人(2年)から9安打を放つも2点に抑えられ、2対4で敗れた。

「マシンで150キロ近い真っすぐと120キロのカットボールを打ってきたのですが、強い球に負けないために上からたたくように指示したせいで、上体中心の手打ちになっていました。特別な意識をさせずに普段どおりのバッティングをさせておけば、もっとヒットが打てたと思うので、そこが私の反省点です」

 また、投手陣は四番打者でもある藤嶋に2本の2ランを浴びた。

「やはりチームの一番の課題はピッチャー。堀江航平、有村大誠、中井雄亮、田浦文丸と4人の投手がいて、みんな140キロ前後の真っすぐを持っていますが、今後は90マイル(約145キロ)以上が出るようにトレーニングを続け、さらにチェンジアップやフォークといった落ちるボールを磨くことで、完投できる投手を育てたい」

 現時点では「甲子園で1回か2回、勝てたら良いほう」と話す鍛治舍監督。出場をほぼ確実にしている来春のセンバツで、秀岳館高がどこまでレベルアップした姿を見せてくれるのか、指揮官の手腕の見せどころだ。(取材・文=大平明)
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