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東都大学リーグ

糸川亮太(立正大)が向き合う勝つためのピッチング

 

チェンジアップとシンカーをうまく使いこなす投球術も売りの一つだ


2つの変化球を武器に腕を振り続ける決意


 2018年秋、立正大は明治神宮大会で9年ぶり2度目の頂点に立った。環太平洋大との決勝。優勝を決めた瞬間、マウンドに立っていたのが当時2年生の糸川亮太だった。

「エースに釘宮(釘宮光希、日本通運)さんがいたので最初から飛ばしていけましたし、調子が悪くても粘り強く投げて試合を作ることができました」。そのころから現在に至るまで、糸川の投球の軸となっているのがチェンジアップとシンカーだ。

「もともとは球種が少なく、緩急をつけたピッチングができなかったので、1年夏から覚え始めたのですが、実戦で使えるようになったのは2年春から。時間はかかったのですが、金剛(金剛弘樹、元中日)コーチのアドバイスでベースの真上にボールを落とすイメージで投げるようにしてから空振りも増えました」

 チェンジアップとシンカーは球筋が似通っていると言われるが、糸川には独特の考えがある。「実は握りが同じなんです。ただ、球速が違っていてチェンジアップは110キロ台の前半から後半。シンカーは120キロ台の後半から130キロの前半くらいで、打者の様子を見ながらシチュエーションによって使い分けています」。このウイニングショットを武器に2年秋には先発の一角を任され、リーグ戦では1点台の防御率を記録した。

 しかし、昨年は苦しんだ。特に春季リーグでは防御率が5点台にまで落ち込み、チームも低迷。「自分がなんとかしなければという思いでプレーしていましたが、気持ちが空回りしてうまくかみ合いませんでした」。

プロ志望は回避して社会人で心を磨く覚悟


 課題と向き合い、今季は始動を早めて準備を整えてきた。「年末からランニングとウエート・トレーニングの強度を上げ、量も増やしました。キャンプも順調でしたし、手応えはあったんですが……」。ところが、今春の新型コロナウイルス感染拡大により野球部は活動停止。春のリーグ戦中止も決定した。「今まで取り組んできた成果を見せる場がなくなってしまい、まさかという気持ちでした。自粛期間中はとにかく早く野球がやりたかったです」。6月下旬、ようやく練習が再開されるも、8月に入ってすぐに同じ敷地内で練習しているサッカー部員にコロナ陽性者が表れ、再び活動休止。野球部も寮から出ることを禁じられたが、それでも「自主的に屋上で野手は素振り。自分もシャドーピッチングをしていました」と気持ちを切らすことはなかった。

 8月中のオープン戦はキャンセルとなったが「言い訳をしても仕方がない。紅白戦はやっていますし、開幕に向けてチームの雰囲気は良いので、自分も勝つためのピッチングがしたいです」と抱負を語った。

 自粛期間中には立正大・坂田精二郎監督と自身の進路について話し合い、社会人野球の道へ進むことを決意。ただ「プロ入りはあきらめていません」と糸川は2年後の再度の挑戦を誓う。今後の課題としては真っすぐの精度を上げ「MAXは145キロなので、今のままでは通用しないと感じています。だから、指先と握力を鍛え、体の爆発力を生かせるように、フォームも改善して球速と質を上げていきたい」と抱負を語る。

 感染状況は刻一刻と変化しており、現場は対応力が求められる。最後の花道を飾るべく、糸川はその右腕を振り続ける。(取材・文=大平明)

PROFILE
いとがわ・りょうた●1998年4月30日生まれ。愛媛県出身。172cm75kg。右投右打。四国中央市立妻鳥小1年時から妻鳥ファイターズで野球を始める。川之江北中では川之江ボーイズでプレー。川之江高では1年夏からベンチ入りし、2年秋からエース。3年春には愛媛大会で優勝し、四国大会準優勝。立正大では2年秋に防御率1点台をマークし、リーグ優勝に貢献し、明治神宮大会でも9年ぶり2度目の大会制覇。東都大学リーグ通算27試合、7勝6敗、防御率3.98。
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