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2023センバツ候補校

持ち味と課題を感じた全国との差 沖縄尚学高が精度を上げる「一球で。一球目から」

 

仙台育英高との明治神宮大会初戦[2回戦]。4対0で最終回を迎えたが、5失点で逆転サヨナラ負け。比嘉監督[左]はこの1敗を糧にする[写真=菅原淳]


 沖縄大会では5試合で47得点。九州大会でも全4試合で2ケタ安打を記録し26得点を挙げ、昨秋は九州王者へと上り詰めた沖縄尚学高(沖縄)。圧倒的な攻撃力の要因となったのは、アグレッシブなバッティングだ。比嘉公也監督は「初球から振る準備だけは怠らないように口酸っぱく言っていて、1球目から振ることでタイミングを合わせていく。それは相手がどんなピッチャーであっても変わりません」と、積極的な姿勢を徹底させている。

 選手も普段の練習から「一球で。一球目から」と声を掛け合い、意識を高めてきた。九州大会で打率.714(14打数10安打)、2本塁打と好調だった知花慎之助(3年)も「ストライクを取りにくる初球は甘くなると思うので、その一球を逃さず振っていく練習をしています」と話しており、チーム全体で見ても九州大会の48安打中、半数を超える25本がファーストストライクを打ったものだった。また、佐野春斗主将(3年)が「今年のチームは粘り強い野球が特長」と話すように2試合で劇的なサヨナラ勝ちを収め、9年ぶり3度目の九州制覇を成し遂げていた。

精神面の強化がポイント


 明治神宮大会では初戦(2回戦)で仙台育英高(宮城)と対戦。最速145キロの右腕エース・東恩納蒼(3年)は「九州大会では変化球に逃げてしまう場面もありましたがこの試合ではストレートで押し、打者が真っすぐを待っているときは、変化球でかわすことができました」と伸びのある速球にキレの良いスライダーを織り交ぜて8回まで無失点。仙台育英高の須江航監督も「変化球がとても良くて真っすぐに見える。投手が有利なカウントになると、さらに成長するはずです」と舌を巻いた。打線も12安打で4得点。全国の舞台でも臆することなく持ち味の積極性はそのままで、6安打はファーストストライクをとらえたもの。さらに、一番打者の知花が1回表に1球目を打って左中間を破る二塁打を放つなど5本は初球だった。

 しかし、勝利目前の9回裏、東恩納が5安打を集中され、エラーも絡んで5失点。まさかの逆転サヨナラ負けを喫した(4対5)。「(145球を投げ)球数が多く、ボールが高めに浮いてしまった。4点差あったので気の緩みがあり、最後は甘さが出た」と東恩納。比嘉監督も「ムダなボール球が多かった。どうすれば長いイニングを投げられるのか沖縄に持ち帰って課題にしてもらいたい」と反省を促した。一方、打線について指揮官は「スピードがあるストレートを見極めることができ振り負けなかった」と成長を認め「1球目からしっかりと振っていくこと。それが基本だと思うのでこれからも継続していきたい」と話した。

 出場が確実視されている今春のセンバツに向け「一気に5点取られてしまいましたが、これが全国との差。修正して大会に臨みたい」と比嘉監督。知花も「気持ちで相手が上だったので精神面をレベルアップさせ、すごいピッチャーと対戦しても対応できるように技術面も上げていきたい」と抱負を語った。手痛い一敗だったが、この敗戦を糧にした沖縄尚学高は甲子園で、さらに成長した姿を見せるはずだ。(※1月27日にセンバツ出場が発表 取材・文=大平明)
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