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第95回都市対抗野球大会

【都市対抗野球2024】東京ドームで7月19日開幕!! 12日間の熱戦が展開 1回戦から好カードの連続

 

都市対抗抽選会が6月16日、東京都内で行われ、出場32チームの1回戦の対戦が決定[写真=小河原友信]


 社会人野球の頂点を争う第95回都市対抗野球大会の組み合わせ抽選会が6月16日に東京都内で行われ、出場32チームの対戦カードが決定した。ブロックごとに展望する。

【Aブロック】前回優勝のトヨタ自動車が開幕試合に登場。藤原航平監督(中大)は「今季はどう得点を奪っていくか。どうビハインドをはね返していけるかをテーマに戦ってきました」と新たなスタイルを模索するなか、5月のJABA九州大会では増居翔太(慶大)ら若手の台頭もあって優勝。「連覇は簡単ではありませんが、獲りにいく気持ちは全員が持っています」と受け身になることなく史上6チーム目(7度目)の連覇へ挑む。

「開幕戦でトヨタ自動車と試合ができるのは幸せなこと」と話すのは沖縄電力の平田太陽監督(国際武道大)。今大会は10年ぶりの出場。一昨年は会社の業績不振により公式戦を自粛した時期もあったが「休部にはならず、会社には応援していただきました。その恩を結果で返したい」と東京ドームでの悲願の1勝を狙う。

前年覇者・トヨタ自動車[左、藤原監督]は沖縄電力[右、平田監督]と対戦する[写真=小河原友信]


 昨年4強の王子はベテランの近藤均(関大)と2年目の中島航(横浜商大)が2本柱。三菱重工Westは元阪神北條史也(光星学院高)と元巨人山下航汰(健大高崎高)が加入して打線に厚みが増した。右腕・竹田祐(明大)の復調も好材料だ。JFE東日本は中澤彰太(早大)が打率.500をマークするなど南関東二次予選では打線が爆発。1回戦は就任5年目、元ロッテほかの渡辺俊介監督(国学院大)が率いる日本製鉄かずさマジックと同地区対決に臨む。

JFE東日本[左、落合監督]と日本製鉄かずさマジック[右、渡辺監督]は南関東地区同士の初戦である[写真=小河原友信]


 同一企業グループの対戦となったのはJR東日本東北とJR西日本。JR東日本東北は主軸の大西蓮(履正社高)が東北二次予選で2戦連発。JR西日本は花村凌(大商大)が中国二次予選の3試合で3勝。先発、救援にフル回転した。

JR東日本東北[左、西村監督]とJR西日本[右、田村監督]は同一企業同士の一騎打ちである[写真=小河原友信]


【Bブロック】NTT東日本は強力打線が健在。東京二次予選の3試合では向山基生(法大)、野口泰司(名城大)、中村迅(法大)のクリーンアップがそろって打率4割を超え、チーム打率.360をマーク。激戦区を第1代表で勝ち上がっており、4年連続出場の北海道ガスの挑戦を受ける。

 出場チームのなかでは最長の15年連続で本大会に駒を進めてきたJR東日本。東京二次予選ではベテランの奮闘が目立ち、西田光汰(大体大浪商高)が2勝。佐藤拓也(立大)は1本塁打、7打点。1回戦で顔を合わせる西濃運輸は東海予選の第5代表決定戦で吉田聖弥(伊万里農林高)が完封。正捕手の城野達哉(中部大)が先制弾を放つなど、投打の中心が実力を発揮して出場権をつかんだ。

 三菱自動車岡崎は秋山翔(武蔵大)と笠井建吾(慶大)の左右の両輪から抑えの神原友(東海大)へつなぐリレーが磐石。NTT西日本は伊原陵人(大商大)の左腕に期待。日本製紙石巻は東北二次予選で5戦44得点。KMGホールディングスは2022年に九州三菱自動車から改称。同年に就任した元南海ほかの加藤伸一監督(倉吉北高)の下、木下里都(福岡大)は九州二次予選の3試合をほぼ一人で投げ、防御率0.78の好成績だった。

【Cブロック】昨年、準優勝のヤマハが入った。今季から指揮を執る申原直樹監督(中大)が「接戦をモノにする力が付いてきました」と話すように、東海二次予選では延長タイブレークを2試合、サヨナラ勝ちも2試合と終盤に強さを見せた。また、トヨタ自動車の藤原監督とは中大の同期で「個人的な思いになりますが、決勝の舞台で戦うのが夢」と話す一方で「足元をしっかりと見て、一戦必勝でいきたい」と抱負を語っている。明治安田は東京二次予選を継投で勝ち抜いた。打線では元楽天ほかの和田恋(高知高)が加入し、第2代表決定戦では新城拓(中大)が2打席連続本塁打。

前年準優勝のヤマハは申原監督[右]が就任。明治安田[左、岡村監督]と顔を合わせる[写真=小河原友信]


 大会最多、12度の優勝を誇るENEOSは実績のある加藤三範(筑波大)や柏原史陽(同大)に加えて、戦列を離れていた関根智輝(慶大)も復帰する見込み。大久保秀昭監督は「強力な投手陣をきちんと調整させて万全な状態で大会に入り、まずは3つ勝ちたい」と目標を掲げた。初戦の相手は東海理化。若獅子賞を受賞した門叶直己(上武大)や東海二次予選で4勝の池田大将(拓大)など、昨年8強の実力は侮れない。

 東京ガスは長きにわたりチームを支える臼井浩(中央学院大)と技巧派左腕の高橋佑樹(慶大)が存在感を示す。打線も主将の笹川晃平(東洋大)をはじめ、21年の優勝を知る選手が残る。4年連続出場のミキハウスはスカウト転身を経て現役復帰した元巨人の桜井俊貴(立命大)が近畿二次予選で4試合に登板。2度の完投勝利に、本戦出場を決めるマウンドも任されるなど活躍した。東邦ガスは38歳の小椋健太(中京大)が本戦出場の立役者。四国銀行は亀岡洋介新監督(松山大)と20人の部員が一丸となり、8強入りした20年以来の白星を目指す。

【Dブロック】日本生命は歴代最多を更新する63回目の出場。2年目の山田健太(立大)や石伊雄太(近大工学部)のプレーに注目。前田敬太(専大)、相馬和磨(国際武道大)など安定した投手陣を擁し、打線では沓澤侑輝(獨協大)や山本空(城西大)が好調を持続している日本通運との対決は見ものだ。

 三菱重工Eastは西関東予選で山中稜真(青学大)が2本塁打を放つなど3試合で6本塁打。一発攻勢で第1代表の座を奪い取った。伏木海陸運送は8年連続初戦敗退中の北信越勢の連敗にストップをかけたい。エイジェックは北関東予選を初めて第1代表で突破。難波貴司監督(東海大)は「平均年齢が20代半ばの若さが強みで、新人の片平吉信(城西大)と高岡佳将(上武大)が一、二番に定着して打線を引っ張ってくれました」と躍進の理由を明かす。そして、「粘って、食らいつく自分たちの野球ができればチャンスはある」と初勝利を目標に掲げる。

 受けて立つ日本製鉄瀬戸内は日本製鉄広畑から改称した最初のシーズンに5年ぶりの出場。SUBARUとJFE西日本はどちらも劇的なサヨナラ勝ちで東京ドームへの切符を手に入れており、その良い流れを本大会にも持ち込みたい。7月19日から12日間にわたって黒獅子旗をかけた熱戦が繰り広げられる。(取材・文=大平明)

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