
今春の関西学生リーグの首位打者に輝いた京大・山本[左]と立命大・竹内[写真=小中翔太]
今春の関西学生リーグは防御率0.00だった左腕・
金丸夢斗(4年・神港橘高)を筆頭に、キレの良い球を低めに制球できる投手がひしめき、稀に見る投高打低だった。防御率1.99でもリーグ6位であったほどである。一方、3割打者は規定打席到達34人のうち8人。打者陣にとっては厳しい状況の中、京大の三番打者と立命大の四番打者がともに打率.333で初の首位打者に輝いた。
京大史上4人目の首位打者となった右打者の山本陶二(3年・藤島高)は14安打(42打数14安打)中5本が長打でOPS.915はリーグ3位。身長こそ168cmながら体格はがっしりしており、強いスイングで安打を量産した。1浪を経て入学。京大は浪人組と現役合格組が約半々いる。野球から離れていた期間の長い浪人組は、感覚を取り戻すため1年間は体作りに費やすことが多いが、山本は1年秋からリーグ戦に出場。
2年時には早くも六番や四番を任された。今春は2節を終えた段階で19打数3安打、打率.158と低迷していた。不振脱出へ第4節までの2週間で打撃を見直した。変えたのは構えやスイングそのものではなく意識の部分。引っ張りたくなるところを我慢して、右方向への意識を持って練習から取り組んだ。するとヒットゾーンに打球が飛ぶようになり後半は全試合安打、6試合で11回のHランプを灯した。
「僕の中のキャリアハイ、ピッチャーが良い中で打率3割台を残せたのは自信になるかなと思います。まだまだいけると思っています。つかんではないです。つかみかけです」
タイトル奪取もチームは最下位
今秋のドラフト候補にも挙がる
竹内翔汰(4年・創志学園高)はバランスの取れたミドルヒッター(36打数12安打)。下半身から連動させたシュアなスイングで広角に鋭いライナーを飛ばす。開幕前のオープン戦では3試合連続本塁打を放つなど、好調を維持して開幕を迎えた。
「欠点の少ないバッターを目指しているので、それを実現できてきているんじゃないかなと思います。大きいのを狙った瞬間にバッティングは崩れると分かっているので、自分のできることは来たボールにしっかり反応して打つだけ。それがシングルヒットになるかホームランになるかというところだと思います」
しかし、自身の手応えとは裏腹にチームとしては打線が振るわず、黒星続き。孤軍奮闘する四番・主将は厳しいマークに遭った。それでも最終節で、ポテンシャルの高さを証明した。その直前にトレーナーからの助言でポイントをつかむと、同大1回戦で3安打の固め打ち。.267だった打率を一気に.324まで上げた。同大2回戦も2打数1安打の活躍で、山本に並びタイトルを確定させた。
竹内から見た山本は「京大の中で一番良いバッターだと思っていました。立命戦できっちり打たれました(笑)」。先に全日程を終えていた山本は竹内の猛追に「絶対、抜かれると思っていました」。互いに実力を認めているだけでなく、伸びシロだらけと自覚している点も共通している。山本は「つかみかけ」。竹内は「実力の40%ぐらいしか出せなかった」。2人は外野手のベストナインにも選ばれた。京大は勝ち点2の4位の一方で、立命大は1982年の新リーグ発足後、初の10戦10敗で最下位。主将・竹内にとって、今秋は雪辱の舞台である。(取材・文=小中翔太)