
広陵高は北部地区予選2回戦[対油木高]で勝利。試合後の整列で表情は硬いままだった[写真=井上幸太]
体制整備と抜本的改革
異例づくめの光景だった。
8月30日、名門・広陵高が、新チーム初の公式戦に臨んだ。取材に訪れたメディアは20社以上。複数人で来場した社も多く、会場である広陵高のグラウンドにはおよそ30人の記者、カメラマンが押し寄せた。
今回の試合は、9月中旬に開幕予定の
広島県大会の出場権をかけた「北部地区予選」。例年であれば、報道陣がまばらな公式戦である。
それにもかかわらず、なぜ、これだけの報道陣が駆け付けたのか。夏の甲子園期間中に世間を騒がせた、広陵高の部内暴力事案が背景にある。
今年1月に寮で発生した暴行問題がSNS上で拡散された。旭川志峯高(北北海道)との1回戦を突破したが、8月10日に2回戦以降の出場を辞退(対戦予定だった津田学園高が不戦勝)。大会途中の辞退は史上初で、大きな衝撃を与えた。
さらに、広陵高は8月21日付で中井哲之監督(63歳)と、中井監督の長男・惇一部長(30歳)の交代を発表。「体制整備と抜本的改革」を目指すとし、
松本健吾監督(34歳)、瀧口貴夫新部長(64歳)の就任も公表した。
並行して2年生以下の部員を対象にアンケートを実施し、いじめがなかったと確認。広島県高野連に報告し、秋の公式戦への参加が認められた。出場辞退後初の公式戦は、新体制の広陵高が初めて姿を現す公の場でもあった。報道陣は新指揮官、2年生以下の選手たちの声を聞こうと試合会場に集まったのだった。
広陵高、対戦相手である油木高双方の関係者の安全を考慮し、保護者と報道関係者の入場を制限。さらに、学校のある広島市安佐南区の警察署にも、県高野連から試合日程を伝達したという。試合中にパトカーが巡回している様子は見られなかったが、万が一に備える徹底ぶりだった。
名門託された青年指揮官
厳戒態勢でプレーボールがかかった一戦は、広陵高が初回から打者一巡の猛攻で8得点。以降も毎回の複数得点を挙げ・・・
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