
昨季加入した桜井は8回から2イニングを1失点。チームは無念の初戦敗退となった[写真=松村真行]
どん底と希望。2025年を飛躍のシーズンとするはずだったミキハウスは、そのどちらも味わった。
昨年、22年限りで引退し
巨人のスカウトとして活動していた
桜井俊貴(立命大)がチームに加入。1年以上のブランクを経ての現役復帰だったが大黒柱として腕を振り、チームは都市対抗と日本選手権出場を果たした。ミキハウスにとって同一シーズンの2大大会出場は初めて。選手たちは大きな経験を積んだ。
さらに今年は元巨人の
高橋優貴(八戸学院大)と
菊田拡和(常総学院高)が加入。単純な戦力アップ以上の好影響をチームにもたらした。陣田匡人監督(中京大)によると「練習での取り組み方をはじめ、本当にいろいろ経験だとかを若い選手に教えてくれているので、そこらへんすごく若い選手の勉強になっています」。
主将・小河内健吾(中京大)も「僕らもそんなに元プロ野球選手っていう感じで意識することはないんですけど、ほんとに持っているものは3人ともすごくいいので、僕らもマウンド立つたびに、打席立つたびにすごく彼らには期待しています。本当に良い関係というか、切磋琢磨してきました」と明かす。しかし、都市対抗近畿二次予選ではまさかの3連敗を喫した。投手陣は勝負どころで踏ん張れず、野手陣も安打が出ても畳みかけられなかった。小河内はもどかしい思いを口にした。
「僕の在籍の5年間の中でもチームとして見ても一番苦しみ、うまくいかなかったことのほうが多かったシーズンだったんですけど、チーム力だけで考えると今までで一番良かったんじゃないかなと思うんです」
不振脱出のカギは原点回帰。来た球を打つ、来た球を捕る、シンプルな考えに立ち返ることで自分たちの野球を取り戻す。日本選手権近畿地区予選では大阪ガス、日本新薬を完封で下して代表権を勝ち取った。
求める都市対抗での結果
チーム状態を上げて臨んだ日本選手権だったが、守備の乱れが響き、Hondaとの1回戦で姿を消した。先発した高橋は自責点1ながら3回途中で5失点。「今年、最後の大会なので一つでもと思って上がりましたけど、ちょっと悔しい思いです。明るく迎え入れてくれたので、この1年は支えられた1年だと思っているので、その恩を返せるようにと考えています。今年の都市対抗予選は3連敗ということで、やはり、ピッチャーで勝てなかった部分があるので、来年は投手力で勝てるように切磋琢磨していけるよう頑張りたいです」。

Hondaとの社会人日本選手権1回戦でミキハウスは高橋が先発も3回途中5失点で降板した[写真=松村真行]
指揮官も苦しんだシーズンを糧とする決意を口にした。「今年はなかなか思うようにゲームが進まない中で、最後、選手権しっかり決めることができて、どん底を味わってまたそこでしっかりいい経験ができて、いい勉強になった1年かなと感じています」。小河内主将は「この選手権は、かなり自信あったんですけど、結果に出なかったっていうのがすごく悔しいです。会社の応援はトップレベルだと思うので1勝でも多く勝ち進んで、最終的に日本一という景色を見せたいなと思うので、そこだけ目指して来年も頑張りたいと思います」。2大大会の常連になりつつある。来季こそ、ドームで結果を残す。(取材・文=小中翔太)