
2019年以来の都市対抗優勝を狙っている[写真=矢野寿明]
JFE東日本を率いて今年で10年目を迎えた落合成紀監督(東海大)は、指揮官として歩んできた道をこう振り返る。
「なかなか『答え』ってないものだな、と。1年1年が勉強と言いますか、ここまでいろいろと学ばせてもらっています」
強打の左打者だった現役時代は2010年に年間の首位打者に輝くなど、天賦の才とも言える打撃で活躍した落合監督は、17年の監督就任から一貫してアグレッシブなチームづくりを続ける。「超攻撃野球」が大輪の花を咲かせたのは19年の都市対抗。現チームでも中心を担う
平山快(東海大)、
猪田和希(神戸国際大付高)、そして主将・内藤大樹(青学大)なども躍動しながら、1972年の創部以来初となる黒獅子旗を手にした。その都市対抗で若獅子賞を獲得して、のちにプロ入りした
今川優馬(
日本ハム)は、JFE東日本の攻撃野球を象徴する一人だった。
都市対抗優勝に胡坐(あぐら)をかくことなく、翌20年には7人のルーキーを採用してチームの活性化を促す。19年のルーキーは9人。つまりは2年間で計16人が入れ替わったことを考えても、チームの攻撃的な強化策が垣間見られたものだった。都市対抗では21年にベスト8まで進むが、その後はなかなか結果がともなわない時期が続く。再び東京ドームで躍動したのは25年。Hondaとの都市対抗1回戦では、6回表に代打・平山の右翼スタンドへの2ランで逆転して、1点差で勝利。続くENEOSとの2回戦では、先発の
加藤孝太郎(早大)をはじめ、
蒔田稔(明大)、本定史好(上武大)、林桂大(国際武道大)といった投手陣が強力打線を抑え、延長タイブレークの11回裏に途中出場の平山がサヨナラ打を放って勝利。準々決勝で、同大会を制する王子に敗れるのだが、4年ぶりとなる8強進出で確かな足跡を残した。
追求する戦術が浸透
迎えた26年シーズン。かつて2度の優勝を誇る3月のJABA東京スポニチ大会では4強に進んだ。2年連続となる決勝トーナメント進出。だが、準決勝ではJR東日本を相手に7回
コールド(2対9)で敗戦を喫した。落合監督は言った。
「それなりに自信があったんですけど、やはり負けると悔しいですね」
先発マウンドに上がった加藤が初回から失点を重ねた。2回までに7点をリードされた展開は、あまりにも重苦しかった。「すべては先発ですね」。落合監督は、あえて厳しい言葉を投げかけて選手の奮起を促す。同時に大会を通じての収穫も語るのだ。
「(準決勝で)こういうゲームをしてしまうと何とも言えませんが、新人たちが何とか戦えるだけのものを見せてくれたと思う」
そして、準決勝を戦い終えた落合監督はこうも語るのだ。
「やりたい野球は浸透してきていると思います。攻撃的な野球。選手たちにはそう言い続けています。今日の試合だけをフォーカスするのではなく、これまでの取り組みを振り返って今後につなげていきたいです」
目指すは、19年以来の都市対抗制覇。進化した超攻撃野球で、再び日本一をつかみにいく(取材・文=佐々木亨)