第97回都市対抗野球大会の組み合わせ抽選会が7月23日、東京都内で行われた。出場32チームの1回戦16カードの対戦が決定。初日から好カードの連続であり、8月26日の開幕から9月6日の決勝まで、目の離せない展開となりそうだ。 取材・文=大平明 
一橋大学一橋講堂で行われた組み合わせ抽選会は緊張感ある空気が流れる中で実施された[写真=矢野寿明]
王子は2年目コンビがカギ
8チームずつのA〜Dの4ブロックに分けて大会を展望していく。
Aブロックには強豪が集まった。前年優勝の王子は昨年の大会で完封勝利を挙げた左腕の
樋口新(愛知工大)と打率.333、2本塁打を放った
柴崎聖人(大経大)の日本一に貢献した2年目コンビが連覇のカギを握る。初戦を争うJR北海道クラブは2017年にクラブ化して以来の初勝利を目指す。3つのJABA大会を制しているHondaは、JABA大会と都市対抗予選で5本塁打の三浦良裕(大経大)をはじめとした長打力がある重量打線が
有村大誠(立命大)ら強力な投手陣を援護。東京都二次予選でも第1代表となり、優勝候補筆頭の呼び声も高い。三菱自動車岡崎は昨年の準優勝。久慈賞の秋山翔(武蔵大)と秋山凌祐(立命大)のWエースが健在だ。東京ガスは東京都二次予選の5試合で8本塁打、57得点。
藤澤涼介(横浜国立大)を軸に猛打で勝ち上がった。西濃運輸は
摺石達哉(奈良学園大)と内藤圭史(東海大)が左右の両輪。JR東日本東北は東北地区二次予選で丸山大(亜大)、
大西蓮(履正社高)が2本塁打を放ち、3試合で29得点。信越クラブは代表決定戦で9回に追いつき、10回サヨナラで出場権を獲得した。

昨年、21年ぶり2度目の優勝を遂げた王子は推薦出場。予選免除がどのように影響してくるのか、注目である。左は王子・湯浅貴博監督、右はJR北海道クラブ・乙須監督[写真=矢野寿明]

※丸数字は出場回数
“親子対決”が実現
BブロックはJR東日本の前評判が高い。高卒2年目の左腕・
洗平比呂(八戸学院光星高)がエース格へと成長し、今大会の最長となる17年連続出場を果たした。Honda鈴鹿は東海地区二次予選で2連敗スタートも、4連勝で第6代表決定トーナメントを勝ち上がり出場枠を手にした。
中津大和(法大)がリードオフマンを務める昨年4強の日本生命は、
西武、
ヤクルトでプレーし、古巣に復帰した
宮川哲(上武大)を擁する西関東地区第1代表の東芝と対戦。日本生命の竹間容祐監督と長男で東芝の竹間心マネジャーは親子対決となる。東邦ガスは元ヤクルトの右腕・
吉田大喜(日体大)が大車輪の活躍。昨年、躍進した東海地区で第1代表となった。JR四国はエースの
近藤壱来(鳴門渦潮高)の右腕に懸ける。エイジェックと沖縄電力は第1代表同士の対戦。北関東地区のエイジェックは準決勝、決勝で2試合連続サヨナラ勝ちと終盤に強さを見せた。九州地区の沖縄電力は内間敦也(コザ高)がリリーフで3勝。沖縄県勢として悲願の本大会1勝目を狙う。

※丸数字は出場回数
Honda熊本はベテラン充実
Cブロックは常連チームがひしめく。大阪ガスは近畿地区二次予選の準決勝で
田村剛平(京産大)が1失点完投。決勝は遠藤翔海(立命大)が6回無失点と新人の2投手が好投し、第1代表の座を射止めた。JR西日本は主砲の土居拓海(
広島新庄高)が中国地区二次予選の3試合で2本塁打、9打点と打線をけん引。三菱重工Eastは一昨年に優勝を経験した中堅、ベテランに新人の
小澤周平(早大)らが加わり、西関東地区予選では日産自動車を下して勝ち上がってきた。日本製鉄瀬戸内はサウスポーの杉本壮志(大体大)が多彩な変化球を制球よく操る。鷺宮製作所はJABA長野大会の覇者。東京都二次予選では西浦謙太(筑波大)が5本塁打を放つなど、7試合で15本塁打を放った。Honda熊本は抑えを務める主将の
片山雄貴(駒大)をはじめ、九州地区二次予選で3試合に先発した島袋圭亮(九州共立大)や中軸の稲垣翔太(明豊高)など、30歳を超えるベテランの奮闘が目立った。日本製鉄鹿島は先発の土屋
大和(立正大)、救援の金城伶於(青山学院大)ら投手陣が北関東二次予選の4試合で7失点と安定。日本新薬は今大会で最長のブランクとなる4年ぶりの出場。エースの
遠藤慎也(亜大)と新人左腕・宮田率生(帝京大)を中心に粘り強く戦う。

※丸数字は出場回数
V奪還誓うトヨタ自動車
DブロックはJABA岡山大会で優勝したトヨタ自動車が入った。主将の
逢澤崚介(明大)を中心に戦力は充実。投手陣は池村健太郎(愛知学院大)や
細川拓哉(東北福祉大)、野手陣は
熊田任洋(早大)といった中堅に脂が乗ってきている。初戦で対戦するJFE西日本もJABA東京スポニチ大会を制した実力あるチーム。エースの長野健大(天理大)や
岩本龍之介(亜大)が投手陣を引っ張り、攻撃では細部までこだわった野球を身上とする。NTT西日本と日本通運はともに12年連続出場。NTT西日本は近畿地区第2代表決定戦で36歳の大ベテラン・濱崎浩大(東日本国際大)が完封勝利。日本通運は左腕・
相馬和磨(国際武道大)と主砲・木下朗(立正大)を投打の軸に据え、JABA四国大会で優勝した。NTT東日本は元広島の
韮澤雄也(花咲徳栄高)が加入。
向山基生主将(法大)が率いる打線に厚みが加わった。日本製紙石巻は東北地区第2代表決定戦で7回に一挙10点を奪い、7点差をひっくり返して逆転勝ち。東海理化はエース・池田大将(拓大)の踏ん張りに、リーダーシップ抜群の主将・武藤健司(中部学院大)、川上承太郎(名古屋市工高)ら中軸が応える。日本製鉄かずさマジックは3年前に同じ顔合わせで敗れたリベンジを狙う。

※丸数字は出場回数
栄光の黒獅子旗を目指す32チームは8月26日からトーナメントの一発勝負の熱戦を繰り広げ、頂点を争う。決勝は9月6日に予定されている。