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第97回都市対抗野球大会

JR北海道クラブが東京ドームで得た財産と反省 前回王者から学んだ声と全力疾走

 

JR北海道クラブの主将・大槻はワンチャンスでの勝負強さに課題を挙げた[写真=矢野寿明]


 社会人野球の日本一を決める第97回都市対抗野球大会が8月26日に東京ドームで開幕した。

 開幕カードで前年優勝の王子(春日井市)と対戦したのがJR北海道硬式野球クラブ(札幌市)だ。17年にクラブチーム化して今年で10年目。ただ、都市対抗では16年にJR北海道として白星を挙げて以来、クラブチームとなってからはいまだに勝利がないため、節目の年になんとしても1勝を挙げたいところだった。

 主将の大槻龍城(大体大)によると、今季は守備と走塁に力を入れてきたという。「守りでは取れるアウトをきっちりと取る。走塁では先の塁をどれだけ狙っていけるのかをテーマにしてきました」。また、乙須正太監督(関大)が「普段の練習から選手同士が厳しい声を掛け合ってプレッシャーがかかるなかでプレーしているので、試合になっても普段どおりの野球ができています」と話すように精神面が安定し、競り合いに強さを見せた。都市対抗の北海道地区2次予選は変則トーナメント方式で行われたが、北海道ガス戦で延長10回の末に5対4で勝利。日本製鉄室蘭シャークスとの対戦は1戦目にコールド負けを喫したが、ダブルヘッダーの2戦目は気持ちを切り替えて4対2で勝ち、本戦出場を決めた。

「最後まであきらめない粘り強さが浸透してきました。チームの成長を感じます」(乙須監督)

今後は先手必勝がテーマ


 本大会では開幕戦に登場したが、大槻主将は「独特な空気感はありましたが、緊張はしていませんでした」とこの大舞台でも心を乱すことはなかった。試合は5回まで両チームともに無得点のゼロ行進。3回裏には二死一、三塁のチャンスをつくったが、三塁走者の大槻主将がホームスチールを仕掛けるもタッチアウト。「全国の舞台で打って相手投手を崩していくのは難しい。そこで、都市対抗のために足を絡めた作戦をいくつか用意していました。あの場面はダブルスチールのサインを出したのですが、きちんと伝わらなかった。私の大きな反省点です」(乙須監督)

 6回表に2点を先制されると、7回裏は無死一、二塁としたが送りバントを失敗して得点には至らず。8回裏は一死一、三塁から山本昂征(東北福祉大)がレフトへタイムリーを放って1点差に詰め寄ったが、反撃もここまで。1対2で惜敗し、クラブチームとしての初勝利はならなかった。乙須監督は「勝てるとすればロースコアでいって、終盤に競り勝つ展開。イメージどおりではあったのですが、バント失敗など細かいミスが響きました」と振り返る。

 大槻主将は「これまでは『良い試合だったね』や『惜しかったね』と言われてきたので、今大会こそは勝つことを目指していたのですが本当に悔しいです。終盤は粘って、つなぐ野球ができましたがワンチャンスで取り切ることができなかった。今後は、先制点などで序盤から相手にプレッシャーをかけられるようにしていきたい」と課題を挙げた。

 乙須監督は「王子は声や全力疾走などが素晴らしいチームでした。自分たちももう一度、元気を出して声を出すところからやっていきたい」と語っており、前王者から学ぶべき点は学び、秋へ向かう。(取材・文=大平明)
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