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第97回都市対抗野球大会

日本生命と東芝の名門対決 「親子対決」は父に軍配 竹間容祐監督が初采配初勝利

 

試合前に日本生命・竹間監督[右]と東芝・竹間マネジャー[左]が健闘を誓い合っていた[写真=高野徹]


「親子対決」として話題を呼んだ一戦。日本生命(大阪市)を率いるのは父の竹間容祐監督(日体大)。対する東芝(川崎市)は息子の竹間心さん(立大)がマネジャーを務めており、1回戦屈指の好カードは父と子がしのぎを削る決戦の場ともなった。

 父は1994年に日本生命へ入社以来、選手として、引退後はヘッドコーチを歴任するなど30年にわたり野球部で尽力し、2年間の社業を経て、今季から現場に復帰して監督1年目。息子は今季限りでマネジャーを退任することが決まっており、大会独自のルールである特定試合シード(一定数以上の観客動員を条件に、事前申請したチームを特定の試合日、試合時間に割り振る制度)により、対戦の可能性は高まっていたとはいえ、都市対抗の大舞台で顔を合わせるとすれば、今年が最後のチャンスだった。

 どちらも市を代表し、チームとして戦うことは大前提としながらも「竹間家の戦いではありませんが、息子が今季で最後なので『試合ができたら』という希望を持っていました。機会が与えられて感謝しています」(竹間監督)。「注目していただいてありがたく思っています。対戦するのが楽しみです」(心マネジャー)と運命の一戦を心待ちにしていた。

継投の決断力に脱帽


 8月28日の試合は東西を代表する名門同士の熾烈(しれつ)な戦いとなり、延長タイブレークの10回表、日本生命は松本渉(東洋大)の2点適時二塁打などで勝ち越し。6対3で東芝を振り切り、父が威厳を保つ形となった。

「東芝は優勝候補にも名前が挙がる素晴らしいチームで隙を見せたらすぐにやられてしまう。そんな強豪を相手に選手、スタッフがたくましく向かっていき、よく戦ってくれました」と竹間監督。心マネジャーは「日本生命さんのほうが投打、戦術、勝利への気持ちで上回っていました。力負けです」と相手をたたえた。

 そして、図らずも両者が勝敗のポイントとして挙げたのが継投についてだ。日本生命は先発の武次春哉(関西国際大)から真野凜風(同大)、高木寛斗(同大)、谷脇弘起(立命大)と細かくつなぎ、最後は8回途中からマウンドに上がった守護神・齋藤礼二(東海大)が試合を締めた。

「今季のチームスローガンは『つなぐ』なのですが投手コーチと相談しながら『良いところで代えてあげれば、つながっていくのではないか』という思いでした」(竹間監督)

 リリーフした投手はすべてイニングの途中からでピンチの場面もあったが、背負った走者を本塁へかえすことはなかった。また、5投手を起用したが「ベンチ入りしている全員が戦力なので5人は想定内。場合によっては6人、7人といくことも考えていました」と振り返った。

 心マネジャーは「父らしいなと感じたのは継投。5人もマウンドへ送って、みんな役割を果たしていました。『この場面はこの投手』と先を見ながら考えていたのではないかと思いますが、決断力がすごかった。父に勝つのはやっぱり難しかったです」と脱帽した。戦いを終え、「まだ秋が残っているのでチームのために最後までマネジャーの業務を全うしてほしい」(竹間監督)。「26年間、育ててくれてありがとう。感謝の気持ちを忘れたことはありません」(心マネジャー)とメッセージを送り合った2人。最後は親子に戻っていた。(取材・文=大平明)
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