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第97回都市対抗野球大会

前回大会準優勝の三菱自動車岡崎 V候補撃破も「昨年決勝の再戦」で雪辱ならず

 

三菱自動車岡崎は王子との2回戦で敗退。梶山監督は次なる目標へと気持ちを切り替えた[写真=矢野寿明]


 難敵を倒してスタートした戦いには、初優勝への期待が高まったものだ。第97回都市対抗野球大会の1回戦。優勝候補の筆頭と言われたHonda(東京都)を相手に、三菱自動車岡崎(岡崎市)の打線が序盤から襲いかかる。

 1回表、一死二塁で打席に向かったのは、JR東海からの補強選手である水谷祥平(東洋大)だった。Hondaの先発・有村大誠(立命大)が投じたストレートを右翼スタンドへ運んで2ラン。その後も、得点にこそ結びつかなかったが、二死からヤマハの補強選手である矢幡勇人(専大)、中村奎太(明大)の連打でチャンスを築き、立ち上がりからHondaに圧力をかけた。2回表も、勢いは変わらない。四球と相手投手の失策で無死一、三塁と攻めると、一番を担う菅原裕太(日大)がセンターへ犠飛を放って1点。さらに、茂木陸(武蔵大)が盗塁を仕掛けて二死二塁とした場面では、前の打席で先制弾を放っていた水谷が右前適時打を放って追加点を挙げる。2イニングで計4得点。三菱自動車岡崎は、浮き足立つHondaにプレッシャーをかけ続けて主導権を握った。その後、1点差まで詰め寄られたが、序盤のリードを守り切って2年連続で初戦を突破した。

 昨年の都市対抗野球大会では、初戦でJR四国(高松市)を下して、勢いそのままに24年ぶりとなる決勝進出を果たした。2001年と同様に準優勝に終わるのだが、バッテリーを中心とした野球で勝ち上がる姿に確かなチーム力を感じた。

チームとしての課題を露呈


 今年も昨年同様の空気感があったのは事実だ。だが、王子(春日井市)との同地区対決となった2回戦、昨年の決勝の再戦となった一戦では、中盤から終盤にかけて投手陣が耐え切れずに苦しい展開を強いられる。

 無死一、三塁から中村が中前適時打、なおも無死満塁として西川尚希(青学大)がショートへの適時内野安打、さらに菅原の犠飛で3点を奪ったのは2回表だ。王子の先発マウンドを担ったルーキー右腕の水崎康平(九産大)に対して、序盤から畳みかける攻撃を見せた。

 だが、6回裏、4本の長短打を集められて同点とされると、8回裏には王子の三番に座る柴崎聖人(大経大)に勝ち越しのソロアーチを浴びて敗戦。試合後の梶山義彦監督(静岡高)は厳しい表情を浮かべながら、先頭打者がヒットで出塁するも得点できなかった3回表と6回表の攻撃を振り返る。

「ノーアウトでランナーが出たところで強行策を取って打たせ、ともにダブルプレーになった場面。あそこは私の采配ミスかなと思います」

 すべては結果論と言えるのかもしれないが、結果的に拙攻となってしまった攻撃を後悔する。

「二番手の投手をとらえ切れない。チームとして持ち続けたその課題が、この試合でも出た」

 梶山監督はそう語り、追加点を挙げられなかった3回以降の姿も敗因の一つとして語った。またしても王子の前に屈した今夏の都市対抗だった。初の黒獅子旗への挑戦は来年に持ち越されたが、三菱自動車岡崎は「強い岡崎」を再び取り戻して、東京ドームに帰ってくることを誓う。(取材・文=佐々木亨)
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