週刊ベースボールONLINE

第97回都市対抗野球大会

昨年8強・鷺宮製作所が直面した全国レベルの「質」 接戦を制するために必要なチーム力とは

 

今季からチームを指揮する鷺宮製作所・狩野監督[背番号56]は、東京ドームでしか得られない課題をチームへと持ち帰った[写真=矢野寿明]


 鷺宮製作所(東京都)は今季から狩野卓也監督(東北福祉大)が就任。元々、コーチを務めていたこともあり、これまでのやり方を踏襲したチームづくりを行っている。

 特に走塁面については「コーチ時代にピッチクロックが導入され、走者がいる場面では20秒以内に投げなくてはならず、けん制球の回数も制限されて走者が優位になりました。だから、攻撃的な走塁でチャレンジしていくためにも『勇気を持ちましょう』と声を掛けていました」と振り返る。主将の野村工(拓大)も「基本的なチームの方針は変わっていませんが、選手ファーストで練習内容などの要望を聞き入れてもらっているので、やりやすくなっています。走塁については『隙があったら全部行く』という意識がチーム全体で共有できていて、たとえ失敗しても気落ちせず積極的に仕掛けやすい雰囲気になっています」と話す。

 今季はプロ入りした竹丸和幸(巨人)の穴をいかに埋めるかがカギだったが、門間滉介(清和大)が成長。緩急を使った投球で、4月のJABA長野大会ではチームを優勝へ導き、6月の都市対抗・東京都二次予選は7試合中5試合に先発。エースの奮投に応えるように打線は5本のホームランを放った西浦謙太(筑波大)を筆頭に、チームで15本塁打。2本塁打の野村主将は「一発が打てる選手がそろっていましたし、練習でできていたことをオープン戦、公式戦と順を踏みながら、成功体験を積み上げてきたことで大事な試合でも実力を発揮できるようになっていったと思います」と語る。

 盗塁も12個を記録。第5代表決定戦では野村主将、西浦のホームランに3盗塁を絡めた攻撃で明治安田を5対3で退け、2年連続18度目の本戦出場を決めたのだった。

いかにミスを軽減するか


 都市対抗の本大会では1回戦でHonda熊本(大津町)と対戦。4点をリードされる苦しい展開となったが、8回裏に4本の長短打を集中させて一気に同点。延長タイブレークまで試合はもつれたが11回に力尽き5対7と無念の初戦敗退となった。

「先発の門間は四死球が多かったのが一番の反省点。竹丸が抜けて、投手陣には大きなチャンスがあると伝えていたのですが、先発は門間頼みになってしまいました。攻撃ではバント失敗が響きました」と狩野監督。

 ただ、6回途中からマウンドに上がった菊地郁也(創価大)は10回までスコアボードに「0」を並べた。「菊地が後ろで投げてくれるのがウチの勝ちパターン。7回は無死満塁のピンチでしたが、粘りの投球でした」(狩野監督)。また、チームに勢いを付ける島野圭太(帝京大)は4安打1四球。8回に同点打を放った西浦は相手の隙を突いて3盗塁。チームでは4個の盗塁を決めて、持ち味は見せた。秋へ向けて野村主将は「細かいところを、結果オーライで見過ごしてきてしまった。もっとこうするべきだと詰めていかないと全国で勝つのは難しいので、流すことなく、一つひとつ選手間で指摘し合うようにしていきたい」と話し、狩野監督も「競ったゲームを勝つためにミスをなくしていきたい」と課題を挙げた。リベンジの舞台は、すでに出場が決まっている社会人日本選手権になる。(取材・文=大平明)
アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球取材班、ベースボールライターによる、高校・大学・社会人野球の読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング