
今年12月で37歳となるが、衰えを知らない投球ぶりを見せる[写真=矢野寿明]
NTT西日本(大阪市)で今季15年目のシーズンを迎えた36歳の大ベテラン・
濱崎浩大(東日本国際大)。長きにわたって、社会人野球の現役生活を続けている大きな理由となっているのが、都市対抗である。
「都市対抗で優勝してないんです。それが大きなモチベーションです」
今季は股関節の故障で出遅れた。「4月の頭くらいから1カ月ほど離脱して、5月のJABA九州大会で2試合投げました。打たれたのですが、復帰してすぐでしたから当たり前ですし、6月の都市対抗予選に間に合えばいいと考えていたので、まったく焦りはありませんでした」
濱崎の代名詞はチェンジアップ。スライダーとともにあまたの打者を手玉に取ってきたが、今季はカーブとカットボールに磨きをかけてきた。「新しい球種を習得することも考えていたのですが、すでに持っているけれども試合でうまく使えていない球種をきっちりと使える球にしていきたいと思ったんです。特に緩急を大事にしているので、カーブで相手打者のタイミングを外したいです」。
向上心を忘れることなく精進を続けており、ストレートについては「質にこだわっています。どうしても年齢を重ねるごとに球速は落ちてきますが、真っすぐは投球の基本ですから。試合で空振りやファウルが取れる速球を投げるために、練習では自分が納得できる良いボールが投げられるまで終われません」と妥協をすることはない。
6月の都市対抗近畿地区二次予選では日本新薬との第2代表決定戦で先発すると、141球の熱投で6安打完封勝利を挙げた。
「捕手の
辻本勇樹(仙台大)とコミュニケーションを取りながら、各打者に対して配球どおりにしっかりと投げ切ることができましたし、打たせて取る投球でリズム良く投げていく自分の持ち味が出せました」
球数がスタミナの原動力
都市対抗本選では日本通運(さいたま市)との1回戦で先発を託され「先に点を取られないことだけを考えていたのですが、前半戦は0点に抑えられて良かった」と3回裏は一死一、二塁のピンチを迎えるも得意のチェンジアップでセカンドゴロに打ち取り併殺。最速145キロのストレートに90キロ台のカーブも操り、7回途中まで投げて1失点。チームも延長10回タイブレークの末に白星を挙げた。
NTT東日本(東京都)とのNTT対決は「初めてなのでワクワクしますし、投げたいです」と話していたが、残念ながら登板機会は巡ってこなかった。
次の登板となったのは、三菱重工East(横浜市)との準決勝。初回に失策絡みで2点を失ったが、リードをもらった4回からは5イニングをパーフェクトに抑えるなど、4安打完投勝利。チームを61年ぶりに決勝の舞台へ導いた。125球の完投だったが、投げる体力については「若いころから球数は変わっていません。スタミナは落とさないように気を付けていて、今もチームで一番、ボールを投げています」と話す。
西濃運輸との決勝は登板機会なく準優勝。大会通算で防御率0.59をマークし、敢闘賞にあたる久慈賞を受賞。来年以降へ持ち越しとなった黒獅子旗獲得の夢をかなえるためにも、濱崎は腕を振り続ける。(取材・文=大平明)
PROFILE はまさき・こうだい●1989年12月25日生まれ。大阪府出身。175cm77kg。右投右打。守口市立金田小2年から金田ファイターズで野球を始める。庭窪中では守口シニアでプレー。北海道栄高では1年春からベンチ入りし、2年春のセンバツ甲子園に出場。1回戦で早実に敗れたものの、先発のマウンドに上がって
斎藤佑樹(元
日本ハム)と投げ合った。東日本国際大では3年春と4年春にMVPを受賞。NTT西日本では入社15年目の都市対抗で久慈賞を受賞した。