
NTT東日本はNTT西日本との2回戦で敗退。1999年のNTT再編に伴い、東西2つの野球部が誕生して以降、両チームが東京ドームで対戦するのは大会史上初だった[写真=矢野寿明]
都市対抗の東京都二次予選では、代表決定戦で3連敗を喫しながら、底力で第4代表を手にした。厳しい戦いの中で、試合を重ねてたくましさを増していったNTT東日本(東京都)は、東京ドームでの1回戦で蓄えられてきた実力を解き放った。
日本製紙石巻(石巻市)との一戦。1点を追う1回裏は、主将の
向山基生(法大)がソロ本塁打を放って、すかさず同点とする。4回裏には、コーチ兼任である
保坂淳介(中大)の適時打で勝ち越す。そして5回裏には、2年目の直井宏路(明大)と向山の連続ソロ本塁打で日本製紙石巻を突き放した。投げては、左腕の長久保滉成(仙台大)が2失点の完投だ。NTT東日本は5対2で、4年ぶりとなる初戦突破を果たした。
2回戦ではNTT西日本(大阪市)との試合が実現した。1999年のNTT再編に伴い、東西2つの野球部が誕生して以降、「東日本」と「西日本」の両チームが東京ドームで対戦するのは大会史上初のことだった。意地がぶつかり合った「NTT対決」は、序盤2イニングは両チームともに無得点。試合が動いたのは3回表だった。NTT東日本の先発・長久保が、左前安打を起点にピンチを迎えると、自身の野選をきっかけに失点。その後も連続適時打を浴びて計3点を失う。4回表にはソロ本塁打などで2点を加えられ、NTT東日本の劣勢は続いた。
攻撃陣は、パナソニックからの補強選手であるNTT西日本の
柿本晟弥(東洋大)に6回裏まで無安打に抑えられる。7回裏に直井がチーム初ヒットとなる右前安打を放つも、後続が倒れて得点には至らなかった。9回表にも追加点を挙げられたチームは、その裏の攻撃で途中出場の12年目・下川知弥(駒大)が中前安打、さらに直井が右前安打を放って得点機をつくる。そして、代打の
火ノ浦明正(専大)が右中間スタンドに飛び込む3ランを放って意地を見せた。だが、反撃もそこまで。3対7。「NTT対決」は終わりを告げた。
最終回の3点に光明
就任2年目で、今夏は東京ドーム初采配となった北道貢監督(駒大)が敗戦を振り返る。
「一つのミス……そういうものが出ると、今日のようなゲームになってしまうんだな、と。あらためて怖さを感じました。選手たちに硬さはなかったと思います。ただ、当たり前にやってきたことが、この試合ではできなかったのかなあ、と」
「NTT対決」に敗れた悔しさを、包み隠さずに表現した。
初戦は勝ち切った。「3年間、東京ドームでは勝っていなかったので、今大会で1勝できたのはチームとして大きいことですが、やはりそこを目指しているわけではないので、悔しさのほうが大きい」。北道監督はNTT東日本としてのプライドものぞかせながら、言葉を加えるのだ。
「昨年は本大会に出られずに悔しい思いをしました。ただ、選手たちは苦しいことから逃げなかった。今日(NTT西日本との2回戦)の最終回に3点を取れるあたりは、チームの成長を感じました。ただ、まだまだ成長段階のチームなので、成長を止めずにやっていきたい」
その目には、常勝チームへの青写真が浮かんでいるようだった。(取材・文=佐々木亨)