週刊ベースボールONLINE

社会人野球 注目新人

大阪ガス・田村剛平 ゲームメークに長けた魂の投球「もっともっと圧倒的な結果を残していきたい」

 

大阪ガスは今夏の都市対抗で8年ぶりの8強。大卒ルーキーの右腕が、東京ドームで存在感を見せた。入社2年目の来年がドラフト解禁。すでにJABA東北大会優勝により、社会人日本選手権への出場を決めており、秋の公式戦にも注目が集まる。
取材・文=佐々木亨

気迫を前面に気持ちのこもった投球を披露する。京産大時代はプロ志望届提出も指名はなく、来秋のドラフトを目指す


 最速は150キロを超える。田村剛平自身も「一番自信のあるボール」と言うストレートを主体にゲームをつくる。カーブ、スプリット、チェンジアップといった変化球を自在に操り、制球力にも長けている大阪ガスのルーキー右腕は、投手としてのあらゆる資質を兼ね備えるのだ。

 野球は小学2年時から始めた。報徳学園中までは三塁も兼務する投手だった。報徳学園高から投手に専念するのだが、現在は日本生命でプレーする同学年の久野悠斗(明大)の陰に隠れる存在だった。頭角を現し始めたのは京産大入学以降だ。1年時からリーグ戦で経験を積み、4年時には圧倒的なパフォーマンスを見せて、ドラフト候補に名を連ねた。

 投手としての上積みを求めて入社した大阪ガスでは、1年目の今年から主戦としてマウンドに上がる。小畑彰宏コーチ(青学大)は田村の魅力をこう語るのだ。

「ボールの強さ、そしてハートの強さがあります。すごいバッターでも、いい意味で『抑えてやる』という強い気持ちを前面に出して投げるんです。普段はすごくおっとりしているんですけど、『負けたくない』という気持ちを秘めている。大学時代からチームを背負って投げてきましたし、場数の多さも今のピッチングにつながっていると思います」

コントロールに自信あり


 高校時代はエースではなかった。それだけに「ハングリーさもある」と小畑コーチは言う。

 貪欲に勝利を求めて右腕を振り抜く。今夏の都市対抗近畿二次予選では1試合に先発。1失点で完投勝利を手にして、第1代表に貢献した。東京ドームでの本大会でも、その姿は変わらない。JR西日本(広島市)との1回戦では、9回途中に三番手として登板。9回裏にチームが大逆転勝利を収めて、勝利投手となった。

 続く日本新薬(京都市)との2回戦では先発マウンドだ。1回裏は単打2本で二死一、三塁とピンチを迎えるが、後続を魂の込もったボールで抑えて無失点。2回裏は2三振を含む三者凡退。3回裏に適時二塁打を浴びて1点を失うが、4回以降はスコアボードに「0」を並べた。8回裏にソロ本塁打を浴びて、またしても1点を失うのだが、真骨頂である「ゲームメーク」は最後まで衰えなかった。8回2失点6奪三振。1回戦に続いて勝利投手となった。

「失点したイニングでも、それぞれ最少失点に抑えられたところが良かったと思います」

 大阪ガスでは「ゾーンに力強く投げる」ことをブルペンから徹底している。ベース板でひと伸びする質の高いストレートにはボールの強さを感じる。

「もともとコントロールには自信があるので、どんどんとストライクを取っていく」

 攻めのピッチングも田村らしい。確かな制球力と空振りが取れるストレートを軸に、社会人野球の舞台でも結果を残し続ける。1年目の都市対抗から精度の高いピッチングを見せつけた田村は言う。

「もっともっと圧倒的な結果を残していきたい」

 大阪ガスのエースナンバー「18」を背負う右腕の進化は止まらない。

PROFILE
たむら・ごうへい●2003年8月30日生まれ。181cm85kg。右投右打。兵庫県出身。小学2年時から野球を始め、すみれガ丘スターズでプレー。報徳学園中では軟式野球部に所属。報徳学園高では3年時に久野悠斗(明大-日本生命)の控えとして主にリリーフとして活躍。京産大では1年秋にリーグ戦初登板。4年春に4完投(うち2完封)で4勝。同年秋は5勝をマークしてMVPとベストナイン。26年に入社した大阪ガスでは1年目から先発。都市対抗では2試合に登板して2勝をマーク。最速153キロ。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット。
アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球取材班、ベースボールライターによる、高校・大学・社会人野球の読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング