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2026ドラフト候補

エイジェック・神山陽登が目指す、大卒2年目でのプロ挑戦 豊富な練習量と最先端技術で開花

 

日本生命との都市対抗2回戦では5回2失点で勝利投手。2018年創部の新興チームが都市対抗4度優勝の名門チームを下した[写真=矢野寿明]


 その才能は、エイジェックの環境で開花した。もっと言えば、社会人2年目の今シーズン、神山陽登の野球人生は一気に加速し始めた。

 国学院大時代は、最速153キロをマークした時期もあったが、リーグ戦では2試合のみの登板に終わった。

「リーグ戦では、敗戦処理のような形で投げただけでした」

 転機が訪れたのは、エイジェックの入社2年目である。

「春先のJABA大会では結果が出ずに悔しい思いをしました。大会後に和田拓也コーチ(京都学園大)と腹を割って話をして『何か一番になろう』ということで、まずは北関東で一番、投げ込みをすることを目指しました」

 エイジェックに入社当初は右肩を故障した影響もあり、どこかで「セーブしていた」自分がいた。だが、とことん練習量を増やして投げ込みを続けたことで自然と自信が芽生えた。

「時代と逆行しているかもしれませんが、投げ込むときは、1日120球ぐらいは当たり前に。投げ込むことで自信がつき、コントロールも良くなりました」

 エイジェックのホームグラウンドに程近い場所にエイジェックスポーツ科学総合センターが開設されたのは、神山が入社する前年にあたる2024年。最新鋭のトレーニング機器がそろい、動作解析の設備も充実している。その環境もまた、神山の能力を引き上げる一つの要因となった。

「社会人になってスライダーが良くなりました。会社の施設を使い、トラックマンなどで投球を解析して自分の特長をしっかりと理解した上で、スライダーを磨いてきました」

 豊富な練習量と最先端技術が相まって、神山のピッチングは大きく飛躍していった。

東京ドームでインパクト


 今夏の都市対抗では、北関東二次予選の第1代表決定戦(対日本製鉄鹿島)で先発を担って代表権獲得に大きく貢献した。東京ドームでの本大会では、4強進出を果たしたチームで2試合に先発。日本生命との2回戦では、4回表までわずか1安打に抑えて無失点。神山と同じく社会人2年目を迎え、ドラフト候補に名を連ねる日本生命のリードオフマン・中津大和(法大)を完璧に封じた。1打席目は二ゴロ、2打席目はバットをへし折って投ゴロに。5回表の第3打席もセンターフライに打ち取るのだから、文句なしだ。

 ルーキーで九番に座る松嶋晃希(中大)に2ランを浴びた5回表を投げ切って降板するのだが、打線の援護もあって勝利投手となった。かつてトヨタ自動車で監督を務め、今季からエイジェックで指揮を執る山中繁監督(同大)は、日本生命戦での神山の出来を「120点満点じゃないですか」と評したものだ。西濃運輸との準決勝では5回途中2失点と試合をつくった。エイジェックは惜しくも敗退したが、東京ドームでインパクトを残した。大舞台で実力を証明した右腕は、さらに上を目指す。

「(野球を)やっている以上は、プロへ」。国学院栃木高、国学院大でチームメートだった同学年のシャピロ・マシュー一郎(オリックス)もいるプロの世界への想いも抱き、神山はマウンドで右腕を振り続ける。(取材・文=佐々木亨)

PROFILE
かみやま・はると●2002年5月10日生まれ。栃木県出身。172cm80kg。右投左打。国分寺東小5年時から野球を始め、国分寺中時代は軟式野球部で3年夏に全国大会8強。国学院栃木高では1年秋から背番号1を着け、3年夏は新型コロナ禍で栃木大会中止。国学院大では東都大学リーグで2試合の登板(0勝0敗、防御率0.00)。エイジェックでは2年目に頭角を現して都市対抗出場に貢献し4強進出。最速153キロ。
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