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【惜別球人】愛媛・真山/四国ILリポート

 

昨季限りで現役引退を決めた真山[写真=愛媛マンダリンパイレーツ]


 2020年10月25日(宇和島市)、愛媛は最終戦を、劇的なサヨナラ勝ちで締めくくった。スタンドのファンに向けた最後のあいさつで、真山勝範主将(大阪教育大)が声を詰まらせる。

 最後のミーティングでは、引退する選手たちが泣いていた。普段、あまり感情を表に出さない選手も涙を流している。それがうれしかった。主将は一言、「みんなと野球できて、良かったです」とだけ言った。

 2月に愛媛の合同自主トレを取材した際、3年目となる今季をラストシーズンにすること。最後は自分がチームを引っ張りたい。だから主将に立候補したことを教えてくれた。

「ここで『もう、やることはやった』っていう1年にしたいです」

 大学4年の秋(16年)、四国リーグ、BCリーグのトライアウトに失敗している。だが、あのときのハングリーさが自らを奮い立たせていた。

 愛媛に入団した18年から2シーズン、全試合に出場。20年も全76試合中、73試合に出場している。公式戦出場209試合という数字は誇りだ。20年はリーグ最多の30犠打とともに、守備でも断トツの1位となる補殺数「215」を積み上げた。

 引退を報告すると、父・勝次が「ようやったな」と言ってくれた。愛媛のキャップをかぶり、ファンと一緒になって、スタンドから熱い視線を送る姿があった。母・和子が「ほんまにやめちゃうの?」と残念がったとき、泣きそうになった。いつも背中を押してくれた父、丈夫な体に生んでくれた母に、感謝の気持ちしかない。

 1年目の秋、退団していく先輩たちが納得した表情で去る姿に、「ほんまか?」と疑ったことがある。そんな気持ちになるかい! 独立リーグで終われるか! そう思っていた。

「でも、愛媛で3年間やらせてもらったときに、『うわあ、やり切ったなあ。もうお腹いっぱいや』と思って」

 最終戦のセレモニーでも言った。リーグを支えてくれる人たちがいるからこそ、選手たちは夢を追い掛けることができる。球団の運営に、リーグの運営に携わってくれた人たちに感謝したい。

「中途半端な気持ちで臨む場所ではないと思う。僕はここで挑戦できて、良かったなあって思います」

 もう何の後悔もなく、現役引退することができる。故郷・大阪に帰り、次の人生に向けて新たなスタートを切る。[リポート/高田博史]
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