ドラフト指名は最後から二番目。涙を流し喜んだ左腕を導いたのは、恩師と緩急を生んだ変化球だった。 リポート=高田博史 
徳島球団事務所で指名あいさつ後の山崎スカウト[左]と藤田[徳島球団提供]
3時間半後の涙
ドラフト会議が始まってから、もうすぐ3時間半が経過しようとしていた。育成ドラフト会議は7巡目に入り、選択を続けているのは
巨人と
ソフトバンクの2球団だけとなっていた。
徳島から指名を待っていた8人のうち、まだ名前が呼ばれていない3人の中に藤田淳平がいた。『藤田』姓の選手が、ここまでに2人指名されている。最初は周りも「淳平かと思ったあ!」と和やかなムードだったが、もうそんな余裕はまったくない。
今回指名された122人中、121人目。育成7位で指名を受け、驚きのあまり思わず立ち上がった。両手を頭にやったまま、その場に立ち尽くしている。球団スタッフがネット生配信している別室に迎え入れられると、涙が止まらなかった。
「……長い。長かったっスね」
あれから2カ月が経った・・・
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