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ベンチ前でのキャッチボール、禁止されるのは、なぜ?

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来シーズンから、試合中にベンチ前でウオームアップをするのが禁止されるそうですが、なぜでしょうか。

 攻撃イニングが終わりかかると、登板している投手がベンチ前に出て、捕手を相手に投球練習を始めるのが日本では当たり前の風景になっていますが、これは野球規則違反なのです。

 規則3.17にはこうあります。「両チームのプレーヤー及び控えのプレーヤーは、実際に競技に携わっているか、競技に出る準備をしているか、あるいは一塁または三塁のベースコーチに出ている場合を除いて、そのチームのベンチに入っていなければならない(以下略)」。ここでいう「競技に出る準備をしている」という選手は、実際に交代を通告された選手のことです。

 メジャー.リーグのテレビ実況を見ても、ベンチ前に出て投球練習をしている選手の姿は見られません。レンジャーズのダルビッシュ有投手も、「日本のようにチェンジの前にベンチの前で練習できないので、初めは戸惑った」と話していましたが、もうすっかり慣れたようです。

 この規則はメジャー.リーグに限らず、全世界の野球に共通する規則なのです。いつかWBCで、ベンチ前で練習しようとした日本のバッテリーが、ベンチへ戻るように命じられたのも、この規則があるからです。

 7月19日に札幌で開かれたプロ野球選手会では、来季から禁止される予定のインプレー中のキャッチボールについて、反対する方針を確認したとのことです。事務局側では「投手にとって試合中のキャッチボールは、小さいときからの習慣で、なんでもアメリカのマネという考えには納得がいかない」と言っていますが、マネではなく、規則に忠実に従うということです。

 10数年前まで、日本では次打者席に2人、3人が出ているのが普通になっていました。これも厳しく規則を履行するようになり、現在は規則に則り次打者1人になっているのはご承知のとおりです。

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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