無死一塁で打者は右翼席にワンバウンドで飛び込むエンタイトルツーベースを打ち二、三塁となりましたが、打者は一塁ベースを踏んでいませんでした。これに気付いた守備側は、ボールが投手に戻ってプレイがかかると、すぐに審判へアピールをしようと待ちかまえています。
ところが、プレイがかかると、三塁走者が突然本塁に走り出したので、投手は軸足を投手板の後方に外し本塁に送球し、三塁走者をアウトにしました。この後、守備側はあらためて一塁にボールを送りアピールしましたが、審判は認めませんでした。なぜでしょうか。 1985年までは一塁でのアピールは認められましたが、86年から規則が変わっています。アピールの規則を並べた7.10に次の[注1]が加わったのです。
「アピール権消滅の基準となるプレイには、投手のプレイはもちろん、野手のプレイも含まれる。たとえば打者がワンバウンドで外野席に入る安打を打って二塁に達したが、途中一塁を空過していた。プレイ再開後、投手が一塁へアピールのために送球したところ、悪送球となって、プレイングフィールドを転々とした。これを拾った一塁手が一塁でアピールすることはできるが、二塁走者がその悪送球を利して三塁に走ったのを見て三塁へ送球してしまえば、一塁でのアピール権は消滅する」というのです。
有効なアピールとは、7.10の後段にあるように「投手が打者へ次の1球を投じるまで、または、投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行わなければならない」のです。
また、このような投手のプレイのほか、野手によりほかの走者に対するプレイが行われたときは、その結果がアウトであろうとセーフであろうと、もはやアピールの権利は失われるのです。
当コーナーでは読者の皆様からの質問を受け付けています。ルールに関する素朴な疑問をお寄せください。あて先は〒101-8381 週刊ベースボール編集部「よく分かる! ルール教室」係まで。