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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

二死二、三塁で、三塁走者がスタート。捕手はホームベース上で投球を受け、タッチ。球審が得点と打者の一塁出塁を認めたのはなぜ?

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二死二、三塁で、三塁走者が、ホームへスタートを切りました。捕手は慌ててホームベースの上に飛び出して投球を受け、走ってきた三塁走者にタッチしました。完全にアウトのタイミングでしたが、球審は得点を認め、打者に一塁への出塁を与えました。なぜでしょうか。

スクイズプレーまたは本盗の妨害を定めた規則6.01(g)を適用したからです。そこには次のように書かれています。

「三塁走者が、スクイズプレイまたは盗塁によって得点しようと試みた場合、捕手またはその他の野手がボールを持たないで、本塁の上またはその前方に出るか、あるいは打者または打者のバットに触れたときには、投手にボークを課して、打者はインターフェアによって一塁が与えられる。この際はボールデッドとなる」

 さらに同規則の【注1】にはこうあります。

「捕手がボールを持たないで本塁の上またはその前方に出るか、あるいは打者または打者のバットに触れた場合は、すべて捕手のインターフェアとなる。特に、捕手がボールを持たないで本塁の上またはその前方に出た場合には、打者がバッタースボックス内にいたかどうか、あるいは打とうとしたかどうかには関係なく、捕手のインターフェアになる(以下略)」

 1971年8月1日のドジャース対レッズで、ドジャースは11回裏に二死満塁のチャンスを迎えました。打者がカウント1ストライク後の投球を空振りしたとき、三塁走者が本盗してきました。このとき球審はジョニー・ベンチ捕手が、捕球する前に本塁上に飛び出して打者のスイングを妨げたとしてインターフェアを宣告。その結果、打者は出塁となり、満塁なので押し出しのサヨナラゲームとなったことがあります。

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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