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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2018年のオールスターは第1戦が4番手の宮西、第2戦が2番手のアルバースが勝利投手に。ペナントレースと異なる勝利投手の決定方法がある?【後編】

 

今年度のオールスターゲームはパ・リーグの2連勝で終わりましたが、第1戦が4番手の日本ハム宮西尚生選手が、第2戦では2番手のオリックスアルバース選手が勝ち投手となりました。オールスターでは、ペナントレースとは異なる勝利投手の決定方法があるのですか。[後編]

 前号(8月6日号)では、野球規則9.17(a)と同(b)に定められている選手権試合の勝利投手の決定について説明しました。ただし、問のように、選手権試合ではないオールスターゲームのような場合の勝利投手の決定方法については、これとは異なる決まりがあります。

 同じく野球規則9.17の(e)にある条文がそれで、ここには次のように記されています。

「選手権試合でないオールスターゲームのような場合には、本条(b)は適用されない。このような試合の勝投手の記録は、勝チームが試合の最後までリードを保ったときには、そのリードを奪った当時投球していた投手(先発あるいは救援)に与える。ただし、勝チームが決定的リードを奪った後でも、その投手がノックアウトされ、むしろ救援投手が勝投手としての資格があると考えられるときは、この限りではない」

 つまり、ペナントレースでは9.17(b)により「(1)勝チームの守備が6回以上の試合では5回。(2)勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では4回」の回数を投げない限り勝投手の権利は得られませんが、オールスターでは1回の投球だけでも先発投手に勝利がつく可能性があるわけです。

 ちなみに、今年度のオールスターは2戦ともパ・リーグが制し、第1戦はパが勝ち越す直前に投げていた4番手の宮西尚生(日本ハム)選手が、第2戦もやはりパが先制する直前の2回を投げていた2番手のアルバース(オリックス)選手が勝利投手となっています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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