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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

日本のプロ野球では監督やコーチが、ある投手に指示を与えるためにマウンドに行ける回数が決められているが、このほかにもルールがある?[前編]

 

日本のプロ野球では、ある投手がマウンドにいるとき、ベンチから監督もしくはコーチが指示を与えるためにマウンドに行ける回数は同一イニングで1度までで、2度目は自動的に投手交代となると聞きました。このほかに「マウンドに行くこと」に関するルールはありますか?[前編]

 マウンドに行く回数については、プレーヤーの交代について触れた野球規則5.10(l)に定められています。

「プロフェッショナルリーグは監督、またはコーチが投手のもとへ行くことに関して、次の規則を適用しなければならない。<中略>(2)監督またはコーチが、1イニングに同一投手のもとへ2度目に行けば、その投手は自動的に試合から退かなければならない」

 これが問でも触れられている基本的なルールで、皆さんもよくご存じだと思います。実はこの条文には続きがあって、“マウンドに行く回数”について事細かにルールが定められているので、紹介していきましょう。

「(3)監督またはコーチは、そのときの打者《※編集部注=1度、監督ないしコーチがマウンドに行ったときの打者》が打撃を続けている限り、再びその投手のもとへ行くことはできない」

 とあり、仮にこの同一打者のときにカウントを悪くしたことで投手を交代しようとしても、【注2】に「監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った後、ファウルラインを越えて引き上げたら、その投手は、そのときの打者がアウトになるか、走者になるか、または攻守交代になるまで投球した後でなければ退くことはできない」と決められており、次の打者となるまで交代はできません。

 ただし、その打者に代打が出た場合は、この限りではないことも併記されています。次号に続く。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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