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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

投手がモーションを起こそうかというタイミングで打者がタイムを要求し打席を外した。投手がそのまま投球動作を続けた場合どうなる?

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プロ野球を見ていると、バッテリーがサイン交換を終え、投手がモーションを起こそうかというタイミングで打者がタイムを要求し、打席を外すことがあります。このとき、投手がそのまま投球動作を続けた場合、どうなりますか? ストライクを投げればストライクはカウントされますか?

 結論から言えば、打者がタイムを要求したとき、球審がどのような処置をしたか、によって異なります。例えば球審が打者のタイムの要求を認め、「タイム」を宣告すれば、その後、投手がストライクを投げようと、「タイム」はすなわち「ボールデッド」ですからカウントされません。

 逆に、打者がタイムを要求して打席を外しても球審がこれを認めなかったら(黙っていたら)、投手がストライクを投じればストライクがカウントされます。

“タイムの宣告”については野球規則5.12に定められており、(b)(4)【原注】にはこう書かれています。

「<前略>プレイが行なわれていないときに、“タイム”を要求しなければならない。投手が投球動作に入ったときとか、走者が走っている場合などのように、プレイが始まろうとしているとき、またはプレイが行なわれているときには、“タイム”を要求してはならない。もしこのような要求があっても、審判員は“タイム”を宣告してはならない。なお“タイム”が発効するのは、“タイム”が要求されたときではなく、審判員が“タイム”を宣告した瞬間からである」

 特に最後の一文で示されているように、打者(に限らずですが)がタイムを要求しても、即ボールデッドにはならないということです。バッテリーも打者もよく頭に入れておきましょう。[文責=編集部]

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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