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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

セ・リーグで活発に行われているDH制導入の議論。DHが消滅するのはどのようなとき?

 

指名打者(DH)制のないセ・リーグでは、昨年の日本シリーズ終了後からDH制の導入に関する議論が盛んに行われているとニュースで見ました(特に巨人が積極的だとか)。コロナ禍で外国人選手たちが来日できないことから持ち上がった日本人限定のDH制などは論外だと思いますが、そのDH制について基本的なルールを教えてください。DHが消滅する場合があるようですが、それはどのようなときですか?

 指名打者については野球規則5.11に定められていて、

「先発投手または救援投手が打つ番のときに他の人が代わって打っても、その投球を継続できることを条件に、これらの投手に代わって打つ打者を指名することが許される」[(a)(1)]

という制度です。日本のプロ野球ではパ・リーグが採用しており、大学野球では東都など多くの連盟で採用しています。

 質問にもあるように、どんな状況でも指名打者が認められているわけではありません。大前提として指名打者が認められているリーグ(試合)では、必ずしも指名打者を指名しなくてもよいのですが、指名する場合には試合開始前の時点で明らかにしておかなければならず、指名しなかった場合は、その試合で指名打者を使うことはできません。

 なお、指名打者として出場した選手が守備につくこともできますが、この場合、自分の打順で打撃を続ける必要があり、投手は退いた守備者の打撃順を受け継ぐこととなります。(つまり、指名打者は消滅)[(a)(5)]。

 また、投手が一度、ほかの守備位置に就いた場合[(a)(8)]、指名打者への代打者が試合に出場し、そのまま投手となった場合[(a)(9)]、投手が指名打者に代わって打撃するか走者になった場合[(a)(10)]、他の守備位置についていたプレーヤーが投手になった場合[(a)(14)]、これ以降、指名打者の役割は消滅することとなります。

 なお、指名打者に代打、代走を送ることは許されていて、これに代わったプレーヤーが以降、指名打者となります。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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