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山崎夏生のルール教室

オフも審判技術向上を(後編) 心身の充実は審判にも必須事項/元パ・リーグ審判員 山崎夏生に聞く

 

選手に負けず体力勝負であり、集中力の持続も重要だからこそ体力づくりに時間をかける必要がある[写真=筆者提供]


【問】前回はシーズンオフにすべき審判のルールやフォーメーションの勉強法について回答をいただきました。では、実戦的なテクニックについてはどのように勉強したら良いのでしょうか?

【答】各連盟の講習会においてはフィールドワーク(実践練習)も頻繁に行われますが、こうしたトレーニングは打球や送球、投球をきちんと見るための基本の型をつくるものだ、と割り切ってください。実際に目で見たプレーを判断し、的確に最終判定を下すテクニックはやはり試合の場でしか得られないのです。せいぜいできるのはブルペンでの投球判定の練習くらいでしょうか。それも審判同士が交代で投手や捕手を務め、球審の真後ろや側方からお互いにコースや高低の確認をする程度しかできません。やはり審判にとってはリアルなプレーの起こる試合こそが最高の練習の場となります。

 そこで重要なのは正確な判定を下すための必要条件となる体力と集中力です。選手は攻守交代があり、試合の半分はベンチに居ますが、審判は1回表の初球から最終回のゲームセットまでほぼ休憩なしで立ち尽くします。アマチュア野球ならば2時間半程度、プロならば時には4時間から5時間にも及ぶことがあります。もちろん途中交代はありません。球審の着用するマスクからプロテクター、レガース、スパイク等々の総重量は5〜6キロもありますし、塁審が判定の最適ポジションやカバーリングに全力疾走する総距離も1試合で数キロはあります。

 ですから、このハードワークを支えるための体力が何よりも必要なのです。この余裕がなければ集中力も続かないものです。体力と気力は連動する、これが我が信条です。選手は「一球入魂」で良いのですが、審判は「全球入魂」、これもまた我が座右の銘です。

 こういった持久系のスタミナをつける基本はやはり走ること。NPBの現役審判は全員がアスリート体型を持ち、選手にも負けぬほどのトレーニングを積んでいます。そういった姿はキャンプ地でのサブグラウンドなどで垣間見ることもできます。ですからこのオフにできることとしては[1]シーズンインに備えての強靭な体力づくり [2]各塁別に打球や送球を想定して実際のポジショニング、ピボットターン、リミング、カバーリングなどの動きを徹底的に体に覚え込ませる [3]公式戦が始まる前のオープン戦では大胆に新しい見方などを試してみる、等々でしょうか。

PROFILE
やまざき・なつお●1955年生まれ。新潟県上越市出身。高田高を経て北海道大に進学。野球部でプレーした。卒業後は日刊スポーツ新聞社・東京本社に入社するも野球現場へのあこがれから、プロ野球審判としてグラウンドに立つことを決意。82年にパ・リーグ審判員として採用され、以後29年間で一軍公式戦1451戦に出場。2010年の引退後はNPBの審判技術委員として後進の指導にあたった。現在は講演、執筆活動を中心に活躍する。
よく分かる!ルール教室

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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