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山崎夏生のルール教室

ストライクカウントが重要 守備妨害のペナルティの対象の行方/元パ・リーグ審判員 山崎夏生に聞く

 

6月19日の巨人中日戦[東京ドーム]の7回裏無死一塁、打者のダルベックは空振り三振に倒れたが、一塁走者の松本剛が盗塁。セーフかと思われたが、ダルベックが二塁へ送球する捕手の送球を妨害したとして、二つ目のアウトが与えられた。写真は確認をする橋上秀樹監督代行


【問】6月19日の巨人対中日戦(東京ドーム)で、盗塁がセーフからアウトになった珍しいプレーがありました。7回裏無死一塁でダルベック選手(巨人)が空振り三振。このときに一塁走者の松本剛選手(巨人)は二塁への盗塁を成功させたのですが、石伊雄太捕手(中日)への守備妨害が宣告され打者アウトのみならず、なんと一塁走者もアウトになってしまったのです。打者アウトはやむなしですが、一塁走者は好スタートを切っており悠々とセーフでした。この場合、打者のみがアウトではないのでしょうか?

【答】このケースでは投球カウントが重要です。ダルベック選手はカウント2-2からの3ストライク目を空振りし、その余勢で打席を出てしまいました。そのときに二塁への送球を試みた捕手の守備を妨害したのですが、すでに三振でアウトが確定した打者です。ですから守備妨害のペナルティは、そのプレーの対象となっていた走者に与えられるのです。もしも妨害にもかかわらず二塁への盗塁がアウトになっていればそのままですが、セーフとなったためにあらためてアウトを宣告されました。

 今回のケースでは捕手は二塁へ送球しましたが、妨害されたために送球できなかったと球審が判断すれば同様の処置となります。また、もしも一塁走者のスタートが遅れてランダウンプレーになった、あるいは盗塁をせずに一塁へ戻ろうとしたときの捕手の送球に対して守備妨害でも同様のペナルティが与えられます(6.03.a.3)。

 これが1、2ストライク目でしたら適用が異なります。守備妨害をした打者のみがアウトとなり、プレーの対象だった走者は投球当時の元の塁に戻されます。要はすでにアウトとなってしまった選手の守備妨害のペナルティは、次のプレーの対象となっている選手に与えられる、ということです。例えば併殺打になるのを防ごうと一塁走者が二塁のピボットマンをめがけて危険な走塁をした場合、その走者のみならず打者走者にもアウトが与えられます(5.09.a.13および6.01.j)。打球や打球処理しようとしている野手への故意の妨害にしても然りです(6.01.a.6および7)。

 こういったアウトが確定した選手の守備妨害はチームにとっても大きな痛手となりますから、厳に慎むべきでしょう。セーフになる可能性が高い走塁でも、すべてが否応なしにアウトになってしまう、ハイリスクノーリターンのプレーだからです。

PROFILE
やまざき・なつお●1955年生まれ。新潟県上越市出身。高田高を経て北海道大に進学。野球部でプレーした。卒業後は日刊スポーツ新聞社・東京本社に入社するも野球現場へのあこがれから、プロ野球審判としてグラウンドに立つことを決意。82年にパ・リーグ審判員として採用され、以後29年間で一軍公式戦1451戦に出場。2010年の引退後はNPBの審判技術委員として後進の指導にあたった。現在は講演、執筆活動を中心に活躍する。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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