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山崎夏生のルール教室

どこで行使すればいい? リクエスト権が発生するタイミング/元パ・リーグ審判員 山崎夏生に聞く

 

8月1日の西武オリックス戦[ベルーナ]、7回裏一死一塁から林が適時打を放ち1対1の同点に。マウンドに集まったあと塁空過のアピールプレーも判定はセーフ。さらにリクエストをするも判定は変わらなかった


【問】8月1日の西武対オリックス戦(ベルーナ)で、またもリクエストがらみの難プレーがありました。7回裏一死一塁から西武・林安可選手の左中間安打で一塁走者の蛭間拓哉選手が生還。ここで西武・西口文也監督が代走を出すと、オリックス・比嘉幹貴投手コーチもマウンドに行き、3分ほどの中断。プレー再開後、投手は三塁に送球して一塁走者の塁の空過をアピールしましたが、塁審の判定はセーフ。そこで、この判定に対しオリックス・岸田護監督がリクエストを要請。結果は判定どおりでしたが、リクエストはプレー終了直後にすべきではないでしょうか? 得点後、4分も経過していたのです。

【答】大原則としてリクエストはプレー完了直後に行わなければなりません。ここで肝心なのはその対象となるのはプレーそのものではなく、審判が下した判定に対するものだ、ということです。

 まず、塁の空過はアピールプレーであり、審判がその瞬間に独自でアウトを宣告することはできません。あくまでも野手がボールを保持しその塁を踏む、あるいは当該の走者にタッグをして審判にアピールすることが必要です。そしてインプレーの状態で行わなければなりません(5.09(c)(2)および定義2)。

 得点直後にチームがタイムを要求し代走を出す、あるいは投手コーチがマウンドに行くなどはやむなきケースでしょう。そして、プレー再開後に三塁でのアピールをするのは当然の権利ですし、それに対し塁審が判定を下すのも、その判定に対する監督のリクエストも一連の流れです。ですから結果的に4分が経過していてもそのリクエスト権は残っていますし、それを拒否することもできません。前述したように審判が主導で瞬時に判定を下すことのできないプレーですから、あくまでもまずはアピールありき。その後の判定に対するリクエストなのだ、という順序ですね。

 幸い、今回のケースでは走者の足が三塁の内側に触れている映像が確認できましたので、リクエスト後にも確信を持って「セーフ」を示すことができました。もちろん塁審はその触塁を見逃すはずもありませんが、映像が残っていない場合には「リクエストへの検証回答不能」ということで従来の判定どおり、というケースは度々ありました。こういった点では、検証画像を提供するカメラの設置台数をもっと増やしてもらいたい、というのは現場審判たちの強い要望です。

PROFILE
やまざき・なつお●1955年生まれ。新潟県上越市出身。高田高を経て北海道大に進学。野球部でプレーした。卒業後は日刊スポーツ新聞社・東京本社に入社するも野球現場へのあこがれから、プロ野球審判としてグラウンドに立つことを決意。82年にパ・リーグ審判員として採用され、以後29年間で一軍公式戦1451戦に出場。2010年の引退後はNPBの審判技術委員として後進の指導にあたった。現在は講演、執筆活動を中心に活躍する。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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