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山崎夏生のルール教室

触れてもアウトにならない? 走塁アシストにならない場合の事例/元パ・リーグ審判員 山崎夏生に聞く

 

9月8日のDeNA対ヤクルト[横浜]、9回裏二死一、二塁から二塁走者の宮下朝陽が三塁を回りかけたところで河田雄祐三塁コーチがストップ。これが走塁アシストではないかとヤクルトの池山隆寛監督がリクエストを要求。審判団が集まり協議したが認めらなかった


【問】9月8日のヤクルト対DeNA(横浜)で9回裏二死一、二塁からセカンドゴロが飛び、この打球をエラーしたのを見て二塁走者の宮下朝陽選手(DeNA)は三塁を回りかけました。しかし、本塁突入は無理だと判断した河田雄祐三塁コーチはストップの指示を出しましたが、そのときに微妙ですが手が走者に触れたように見えました。ヤクルト池山隆寛監督は走塁アシストではないかと抗議をしたようですがリクエストは受け入れられず、その後の場内放送でも「ナッシング(成り行き)」とのこと。納得がいきません。

【答】この走塁アシストのルール(6.01.a.8)ですが、まずはベースコーチと走者の接触があれば即時にアウト、というものではありません。字義の通りアシスト、すなわち「援助した」という事実が認められた場合にのみ適用されるものです。よって走者の前で大きく手をかざして実際に触れて止めたり、あるいは走塁の勢いで倒れかけた走者を抱きかかえたりした場合にのみアウトを宣告されます。件のプレーは三塁コーチの指先がかすかに触れたかどうかという微妙なプレー。接触したかのようにも見えますが、その事実を確認するのではなく、その接触自体が「アシスト(援助)」であったかどうかは審判の「判断」に委ねるものゆえにリクエストの対象外となるのです。今回はたとえ触れていたとしても、それがアシストには値しないという審判団の判断でした。

 このルールの適用例は、ルールを熟知したNPBのコーチでも数年に一度はありますね。2000年以降での適用例は7件。直近では昨年6月のロッテ対ソフトバンク(ZOZOマリン)でもありました。

 また守備側が注意せねばならないのはアウトが宣告されても即時にボールデッドではないこと。ランダウンプレー時のように直接にその走者に対してプレーが行われているときの走塁アシストならばボールデッドですが、まだ他の走者に対して連続してプレーが行われているときにはインプレーのままです。例えば三塁近辺で走塁アシストがあっても、他の塁上でプレーが行われていた場合などです。

 余談ですが、もう何十年も前に高校野球でホームランを打った選手が喜びのあまり三塁コーチとハイタッチをし、アウトを宣告されたことがあります。これはルールを曲解したというより、高校野球は教育の一環という観点からこういった行為をいさめる、という意味合いだったのでしょう。

PROFILE
やまざき・なつお●1955年生まれ。新潟県上越市出身。高田高を経て北海道大に進学。野球部でプレーした。卒業後は日刊スポーツ新聞社・東京本社に入社するも野球現場へのあこがれから、プロ野球審判としてグラウンドに立つことを決意。82年にパ・リーグ審判員として採用され、以後29年間で一軍公式戦1451戦に出場。2010年の引退後はNPBの審判技術委員として後進の指導にあたった。現在は講演、執筆活動を中心に活躍する。
よく分かる!ルール教室

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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