今週はどうしても書きたいことが2点ばかりある。
まずはホームラン増の問題だ。いや、つまるところ、これは統一球の問題となるのだろう。2011年、それまでバラバラだったプロ野球公式球を1社に統一し、同時に国際試合増加を見越し、メジャー・リーグと同様に低反発なボールに変更された。そのため、ここ2年間は投高打低のシーズンが続いたが、今年は5月16日現在で1試合平均の本塁打が昨年の1.02本から1.35と増加。昨年までスタンドインさせることが不可能だった打者にも本塁打が生まれているし、選手に聞いても「昨年とはボールが違う」という答えが返ってくる。ストライクゾーンが今年は厳しくなり、打者有利に見える面もあるが、それだけでここまで本塁打が増える理由にはならないだろう。
NPBは「ボールは変えていない」と言うが、それに対して疑問符が浮かんでしまう材料がそろっているのだ。選手も、ファンも疑心暗鬼に陥っているだけに、変えていないなら言葉だけでなく、きちっとしたものをしっかりと示すべきだろう。そうじゃなければ納得はできない。
そもそも国際試合に対応するための統一球なのに、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で投手陣からWBC公式球に違和感の声が相次いだのがおかしい。イニング間のキャッチボールを禁止するなど、何でも世界基準に準じるのなら、いっそのこと日本でもメジャー公式球とまったく同様のメーカーのボールを使えばいいのだろう。
あともう1点は
松井秀喜氏をめぐる報道だ。5月5日、こどもの日に
長嶋茂雄巨人終身名誉監督とともに国民栄誉賞の授賞式が東京ドームで行われたが、これ自体は非常に喜ばしいことだ。しかし、その後、松井氏の巨人監督就任に関する記事がスポーツ紙に踊ったことはいただけない。
今年、02、03年の第1次政権時代を含めると巨人監督10年目となるシーズンを、優勝に向けて必死に戦っている
原辰徳監督。昨年までの9年の監督生活で5度のリーグ優勝、2度の日本一を成し遂げた、その見事な手腕は巨人監督ではV9を果たした
川上哲治氏に次ぐものだと言って過言ではない。今年も首位を走るチームを立派に率いている。そんな名将に対して、あまりにも失礼な報道だと感じるのだ。きっと、勝手に書き立てられた松井氏自身も迷惑だと思っているはずだろう。
監督人事報道には、選手も敏感に反応してしまうものだ。6日からの
阪神戦(東京ドーム)で3タテを食らい、結局、4連敗を喫したのも、この報道とまったく無関係だとは言い切れまい。必ず動揺は走る。シーズンの真剣勝負に水をさすような記事はなるべく避けてもらいたいものだ、と痛切に思う。

▲原監督も懸命にチームを率いている。現場で戦っているチームの気持ちをないがしろにするような報道は避けてもらいたい[写真=小山真司]