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伊原春樹コラム

伊原春樹コラム「トレーニングを欠かさない現在の選手。大久保博元が体重90キロでキャンプに。現役、コーチ時代のオフの思い出話」

 

オフにランニングを行う西武時代の清原[左]、大久保[写真=BBM]


 12月に入り、選手は完全オフの期間となった。しかし、今の選手はオフと言えどサボることがまったくない。課題克服のためにトレーニングを欠かさず、レベルアップに努めている。キャンプ初日から完璧に動ける状態で、1週間ほどすれば実戦を始めることができるから、非常に頭が下がる思いだ。

 40年以上前の話になるが、私が現役時代とは全然違う。われわれのころはほとんどの選手が12月にはトレーニングは行わなかった。年末までもっぱらゴルフ三昧。夜は後援者との食事会などが続き、あっという間に体重が5、6キロは増えてしまうような感じだった。

 年が明けてからボチボチ体を動かそうかと思い立ち、ゆっくりと始動していく。そして、だいたいキャンプ前、1月20日ごろから合同自主トレが始まるのだが、ランニング主体なのできついこと、きついこと。苦悶の表情を浮かべながら走っていたことを思い出す。ただ、これもレギュラーではない若手や中堅選手の話。主力はキャンプがスタートしてもマイペースで調整を進めていく。3月10日ごろのオープン戦に出場することを目標に体を動かしていくのだ。

 それ以外の選手はレギュラー獲得のためにキャンプでアピールしないといけないから、そうもいかない。今年こそはとキャンプ初日から練習に明け暮れ、実戦に備えていく。ただ、2月下旬のオープン戦にも出場するが、中盤になるとコンディションが落ちてしまう。主力がオープン戦に出るころは疲れがピークに達してしまうのだ。結局、主力を上回るようなプレーができずに、レギュラーの座が遠のいてしまう……。そのあたりがうまくいかずに歯がゆい思いを抱いた現役時代だった。

 いまの選手は他球団の選手と自主トレを行ったりしているが、非常にいい傾向だと思う。特に若手が他球団のレギュラー格と練習をともにし、時に技術指導も受けながら成長を求めていく。野球界にとっても大きなプラスとなるだろう。それに、誰かと一緒にトレーニングを積んだほうが、一人でやるよりは気が緩むことがないから、自分にとって身になることは間違いない。

 私は西武コーチ時代、オフに入る前、選手と必ず約束事を交わしていた。まず、秋季キャンプが終わると全選手の体重を計る。春季キャンプ初日に、その体重プラス何キロ以上には罰金を取るようにしていたのだ。やはり、そういった何かしらのプレッシャーをかけたほうが、選手もトレーニングをサボりづらくなる。

 昔のメモを見返してみると、春季キャンプ初日の体重で「清原93キロ、大久保90キロ」とあった。清原とはもちろん清原和博のことで、大久保とは大久保博元。今オフ、巨人一軍打撃チーフコーチに就任したデーブ大久保だ。太りやすい体質だった大久保だが、清原より軽い90キロの体重とはオフにしっかりと練習を重ねてきたことを表す数字だろう。あらためて見て、びっくりしてしまった。

PROFILE
伊原春樹/いはら・はるき●1949年1月18日生まれ。広島県出身。北川工高(現・府中東高)から芝浦工大を経て、71年ドラフト2位で西鉄入団。76年巨人に移籍し、78年古巣ライオンズに復帰して80年限りで現役引退。通算成績は450試合出場、打率.241、12本塁打、58打点。81〜99年に西武で守備走塁コーチを務め、西武黄金時代の名三塁コーチとして高い評価を受ける。2000年阪神コーチ、01年西武コーチから02〜03年西武監督、04年オリックス監督を歴任。07〜10年巨人ヘッドコーチを務め、14年は西武監督。現在は野球解説者として活躍している。
伊原春樹の野球の真髄

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座右の銘は野球道。野球評論家として存在感を放つ伊原春樹の連載コラム。

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